2020 Fiscal Year Research-status Report
オピオイド誘発性便秘症に対する鍼治療の有効性の検討
Project/Area Number |
20K16562
|
Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
岡田 岬 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 助教 (70849497)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | オピオイド誘発性便秘症 / 鍼 / 結腸運動 / ロペラミド |
Outline of Annual Research Achievements |
オピオイド誘発性便秘症(Opioid-induced constipation: OIC)に対する鍼通電療法の効果を検討するため、μ受容体アゴニストであるロペラミドによるOICモデルの作成を検討した。 本年度はVehicle群とOIC群の結腸伝播運動の測定を行った。Vehicle群は生理食塩水に酢酸を稀釈した溶液を、OIC群にはμ受容体アゴニスト(ロペラミド塩酸塩)を酢酸に溶解し、生理食塩水で稀釈したロペラミド溶液を1日2回、測定3日前から3日間連続で背部正中線上に皮下注射を行った後に結腸伝播運動の測定を行った。 測定5日前に盲腸から結腸側へシリコンチューブを挿入し留置する手術を行った。結腸伝播運動の測定は留置カテーテルから放射線不透過性マーカー20粒を生理食塩水とともに注入し、腹部を注入直後から60分毎に240分後までソフトX線で撮像を行った。撮像した画像からGeometric Centerの算出し、評価を行った。 その結果、Vehicle群は我々が以前報告した通常状態のラット結腸伝播運動と同様な結果が得られ、対照群として使用できることを確認した。また、OIC群ではVehicle群と比較して結腸伝播運動が遅延する傾向が見られ、OICモデルとして有用であると考えられる。今後も引き続きOIC群の測定を続けるとともに、OICモデルに鍼通電刺激を行うことによってOICに対する鍼通電療法の効果の検討を目指したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OCI群のデータ数が予定よりも測定できていない。手術とロペラミド溶液投与の副作用によるラットの健康状態の悪化による測定困難によって当初想定していたより時間を取られた。手術時間の短縮によりラットの健康状態の悪化は防げたものの、緊急事態宣言に伴うテレワークの推進の大学方針により、研究に時間を割くことが困難となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
手術時間の短縮により測定が可能となったことと加えて、本年度は研究時間の確保も見通しが立ったため、今後は計画通りの実施が可能である。
|
Causes of Carryover |
昨年度は当初予定されていた研究の進行が遅れていたが、本年度は昨年度と比較して研究時間の確保の見通しがたったため、昨年度実施予定であった研究も実施する。 未実施であった研究にかかる費用を本年度に繰り越し、本年度での実施を計画している。
|