2022 Fiscal Year Annual Research Report
レボドパ誘発ジスキネジアの発症機序の解明と新規薬物治療の開発
Project/Area Number |
20K16570
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西嶌 春生 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90858177)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / レボドパ誘発ジスキネジア / シナプス可塑性 / 樹状突起上スパイン / 黒質網様部 / アマンタジン / ペランパネル / カベルゴリン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、レボドパ誘発ジスキネジアモデルラットの線条体から黒質網様部に投射する神経細胞の形態変化を調べた。6-hydroxydopamine脳内注入手術によりパーキンソン病モデルラットを作成しレボドパまたはプラセボによる治療を14日行った。治療11日目に逆行性トレーサーを黒質網様部に注入し線条体神経細胞を標識した。最終薬物投与から12時間後に脳を摘出し背外側線条体で標識された細胞を確認して蛍光色素を注入、樹状突起上スパインを可視化して数や大きさを計測した。レボドパ投与群のドパミン脱神経側でスパインの数の減少と頭部の拡大が確認された。皮質線条体シナプスの数が減少し、一方でシナプス一つ一つの強度は増していることが示唆された。 また、レボドパ誘発ジスキネジアモデルの淡蒼球内節を電子顕微鏡で観察、レボドパ反復投与に伴い徐々に神経終末が肥大していくことを見出し、論文投稿中である。 ラットモデルのレボドパ誘発ジスキネジアに対するアマンタジン、ペランパネルの効果を検証した。アマンタジンの抗ジスキネジア効果は明瞭であったが反復治療後に効果が消失した。一方アマンタジンの運動症状改善効果は反復投与後に出現した。ペランパネルの抗ジスキネジア効果はわずかであった。これらの成果についての論文は受理され掲載予定である(Neurosci Lett)。 カベルゴリンの抗ジスキネジア効果についての論文が掲載された(Neurosci Res 2022)。 加齢がジスキネジアに及ぼす影響についてラットモデルで検証し、高齢であるとジスキネジアが軽度でジスキネジアに伴う淡蒼球内節の拡大やダイノルフィン発現も抑制されることを見出し、論文が掲載された(Front Aging Neurosci 2021)。 レボドパ誘発ジスキネジアの病態機序についての総説を執筆し掲載予定である(Neurol Clin Neurosci)。
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Research Products
(2 results)