2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K16578
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲田 亨 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70626134)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 視神経脊髄炎 / PET / アストロサイト / 高次脳機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症(MS)は脱髄が主でアストロサイトが活性化する一方、視神経脊髄炎(NMOsd)はアストロサイトの障害が主とされているが、生体においてアストロサイト障害を直接評価する画像モダリテイは存在せず、疾患活動の直接的な評価や高次脳機能障害等の背景にある病態は未解明であった。また、AQP4抗体陰性のNMOについてはMSの鑑別がしばしば困難であった。本研究ではアストロサイト特異的に代謝される酢酸をトレーサーとする脳のPET撮影がMSとNMOの脳病変の鑑別、NMOsdにおけるアストロサイト障害の定量化や疾患活動性の直接的な評価の指標となることを目指す。具体的には以下について行っっている。①NMOsd患者と健常者とについてアストロサイトの酢酸代謝の比較、②NMOsd患者において頭蓋内病変の有無とアストロサイト代謝活性との相関について検証、③NMO患者においてアストロサイト代謝活性と高次脳機能、うつ症状、疲労重症度などの非運動症状との相関についての検証、④初発NMOsd患者については、再発予防薬による治療前後での酢酸の代謝変化についての検証。 現時点では横断的な検討のみ行っているが、頭蓋内病変を有するNMOsd患者では灰白質の脳酢酸代謝が低下していることを見出した。また、一部の高次脳機能と灰白質の酢酸代謝に正の相関がみられることも見出しており、アストロサイトイメージングの可能性を示唆するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にてPET撮影の遅延が起こっているが、概ね予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もNMOsd患者に対する臨床的評価及び酢酸PETの撮影の結果について論文化する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により患者の撮影の遅延が起こった。次年度以降もPET撮影を行い、論文化を目指す予定。
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