2020 Fiscal Year Research-status Report
ショート&ロングリードシーケンスによる成人白質脳症の包括的解析と新規遺伝子同定
Project/Area Number |
20K16581
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三宅 綾子 横浜市立大学, 附属病院, 客員研究員 (10760184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | leukoencephalopathy / exome |
Outline of Annual Research Achievements |
白質脳症は大脳白質を病変の主座とする疾患の総称である。背景疾患は非常に多岐にわたり、遺伝性疾患だけでもcerebral autosomal dominant/recessive arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy(CADASIL/CARASIL)をはじめとする脳小血管病や、神経核内封入体病(Neuronal intranuclear inclusion disease:NIID)、Hereditary diffuse leukoencephalopathy with axonal spheroids、先天性ライソゾーム病など、全く病態の異なる疾患が含まれる。疾患特異的な治療を考慮する上では正確な診断が必須となるが、同じ遺伝子異常に起因する疾患であってもその変異により発症年齢、症状、重症度などが異なるため、臨床所見や画像所見のみでの診断は容易ではない。申請者らはこれまでに成人白質脳症の遺伝学的背景解明のための研究を行ってきた。カスタムキャプチャーキットを用いた白質脳症関連55遺伝子の解析、全エクソーム解析(WES)、さらに神経核内封入体病の原因として新たに同定されたNOTCH2NLCのGGCリピート伸長の解析を行うことで、神経核内封入体病とCADASILが成人白質脳症の2大疾患であることを明らかにしてきた。本研究では全エクソーム解析でも原因未同定の82例および新規に収集する50例の成人白質脳症の解析を通して、成人白質脳症の遺伝学的背景の包括的な解析、新規原因遺伝子の同定をめざす。本研究により成人白質脳症の全体像の把握、効率的な診断、治療方針の決定が可能となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、我々がこれまでに行ってきたカスタムキャプチャーキットを用いた解析、WES、NOTCH2NLCのGGCリピート伸長解析で診断がつかなかった82例および新規収集例(50例目標)を、類似した臨床的、画像的特徴を有する患者群にグループ化し、グループごとに罹患者に共通する遺伝子異常を抽出することで新規疾患原因遺伝子の同定を目指している。本年度はWESデータ解析に加え、新規症例を22例収集することができており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きWESの結果を検討する。既知・新規の遺伝子変異が認められた場合は、これまでにすでに遺伝子診断が確定している症例の情報と合わせ、遺伝子異常と発症年齢、臨床像、臨床経過、画像所見を含む各種検査所見など臨床情報との関連を解析する。 WESで十分な検討を行っても原因不明な疾患に対してはロングリードシーケンサーを用いた解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はWESデータ解析に加え、新規症例を22例収集することができており、おおむね順調に進展していると考えられる。 本年度収集した検体に関してはWES解析が進んでいない例があり、次年度にWESおよびロングリードシーケンサーを用いた解析を行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)