2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathological mechanism of hereditary neuropathy based on novel causative genes discovered in Japan
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20K16604
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
樋口 雄二郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10867724)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝性ニューロパチー / 新規原因遺伝子 / エクソーム解析 / Charcot-Marie- Tooth病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CMTの包括的な遺伝子検査を継続しつつ、新規原因遺伝子を同定し、臨床的・遺伝学的・病理学的解析を行い、さらに病態モデル細胞・疾患モデル生物(ショウジョウバエ・マウス)を樹立・解析することで、CMTの病態解明および治療法開発を目指している。本年度の研究実績は下記の通りである。 ①新規のCMT患者(およそ250名)の遺伝子検査を継続して実施することが出来た。 ②CMTの新規原因遺伝子COA7変異については、新規3家系を含む計7家系を同定し、彼らの表現型を詳細に評価し、ニューロパチー、小脳失調だけでなく、錐体外路徴候、痙性など多彩な神経徴候を呈することを明らかにしている。 ③新規候補遺伝子Gene Xについては、本年度までに新規2家系を含む計5家系を同定し、表現型の解析、家系分析データの蓄積などを進めた。Gene XのショウジョウバエKDモデルはすでに樹立しており、寿命短縮、クライミングアッセイによる運動能力の低下、またそれに対応した神経筋接合部のシナプス形態変化などを確認できた。また、患者で確認されたGene Xミスセンス変異(P2041H、C3776Y)の生体への影響を解析するために、Gene Xホモログ点変異モデルの樹立を検討したが、該当部位のアミノ酸配列の保存性が低く、ゲノムサイズが巨大であることからゲノム編集が困難と判断した。代替案として、早稲田大学との共同研究にてCRISPR/Cas9を用いたノックイン(KI)マウスモデル解析を進めており、遺伝子組み換えおよび動物実験の申請後承認を得て、すでにKIマウスの樹立に着手し解析進行中である。 ④原因未同定のCMT患者多数例のエクソーム解析データからESVDシステムを用いて候補遺伝子を検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①新規のCMT患者(およそ250名)の遺伝子検査を継続して実施できており順調である。 ②CMTの新規原因遺伝子COA7変異については、新規3家系を同定することができ、彼らの表現型を詳細に評価することができ順調に進展している。論文化を次年度に目指す。 ③新規候補遺伝子Gene Xについては、本年度までに新規2家系を含む計5家系を同定し、表現型の解析、家系分析データの蓄積などを進め、ショウジョウバエKDモデルは樹立後に表現型解析も実施し順調に進展している。一方で、患者で確認されたGene Xミスセンス変異(P2041H、C3776Y)の生体への影響を解析するために、Gene Xホモログ点変異モデルの樹立を検討したが、該当部位のアミノ酸配列の保存性が低く、ゲノムサイズが巨大であることからゲノム編集が困難であった。 ④膨大な症例数のエクソーム解析データから候補遺伝子を抽出するためのESVDシステムに場アップデートが必要があったが、メイズ株式会社のエンジニアの研究室への出入りがコロナ禍で大きく制限(大学、研究室の活動の自粛)されたため、アップデートに遅延が生じ、解析にも遅延が生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
①次年度も新規のCMT患者(およそ250名)の遺伝子検査を継続して実施する予定である。 ②CMTの新規原因遺伝子COA7変異については、新規3家系を同定することができ、彼らの表現型を詳細に評価することができたので、次年度は論文化を進める。 ③新規候補遺伝子Gene Xについては、患者で確認されたGene Xミスセンス変異(P2041H、C3776Y)の生体への影響を解析するために、Gene Xホモログ点変異モデルの樹立を検討したが、ゲノム編集が困難と判断した。本年度では代替案として、早稲田大学との共同研究にてCRISPR/Cas9を用いたノックイン(KI)マウスモデルを樹立し、表現型の解析を行い、論文化を進める。 ④CMTの新規候補遺伝子を抽出し、引き続き症例の蓄積、表現型の解析、遺伝学的・病理学的解析、病態モデル細胞・疾患モデル生物(ショウジョウバエ・マウス)を樹立・解析を進める。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Genetic spectrum of Charcot-Marie-Tooth disease associated with myelin protein zero gene variants in Japan2021
Author(s)
Takaki Taniguchi, Masahiro Ando, Yuji Okamoto, Akiko Yoshimura, Yujiro Higuchi, Akihiro Hashiguchi, Kensuke Shiga, Arisa Hayashida, Taku Hatano, Hiroyuki Ishiura, Jun Mitsui, Nobutaka Hattori, Toshiki Mizuno, Masanori Nakagawa, Shoji Tsuji, Hiroshi Takashima
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Journal Title
Clinical Genetics
Volume: 99
Pages: 359-375
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical features of inherited neuropathy with BSCL2 mutations in Japan.2020
Author(s)
Satoshi Ishihara, Yuji Okamoto, Hajime Tanabe, Akiko Yoshimura, Yujiro Higuchi, Jun-Hui Yuan, Akihiro Hashiguchi, Hiroyuki Ishiura, Jun Mitsui, Shugo Suwazono, Yasushi Oya, Masayuki Sasaki, Masanori Nakagawa, Shoji Tsuji, Yusuke Ohya, Hiroshi Takashima
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Journal Title
Journal of the Peripheral Nervous System
Volume: 25
Pages: 125-131
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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