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2020 Fiscal Year Research-status Report

Regenerative medicine using iPS cells with suicide gene for cerebral infarction

Research Project

Project/Area Number 20K16608
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

山田 浩貴  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00867913)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsiPS細胞 / 自殺遺伝子 / 脳梗塞 / 再生医療 / 脳切片培養 / 透明化
Outline of Annual Research Achievements

我々はヒトiPS細胞由来神経幹細胞(NSC)が悪性神経膠腫に対して顕著な遊走能を示すことを見出し、ヒトiPS細胞由来NSCを自殺遺伝子のcellular delivery vehicle(CDV)として利用し、bystander効果により浸潤腫瘍を殺傷する革新的方法を考案してきた。NSCは炎症・損傷部位にも遊走することが知られているため、その他の脳挫傷や梗塞を含む様々な再生医療への応用も期待される汎用性の高い研究開発とも考えることができる。一方、再生医療に対する細胞移植療法は、移植細胞の造腫瘍性が問題視され、臨床応用に向けた大きなハードルとなっている。我々の開発した本治療用NSCは自殺遺伝子の導入により造腫瘍性の問題を解決する安全装置を備えているため、安全な再生医療実現のための重要なツールとなり得る。その実現のためには脳内でどの様にiPS細胞由来NSCが梗塞部位に遊走するかを長期間定量評価する必要がある。そこで本研究計画では、まず治療効果を発揮するに重要な要素である脳梗塞に対する脳内遊走を、我々が確立した脳切片培養及び透明化技術を駆使して定量的に解析し、さらに樹立する脳梗塞モデルに対する実際の機能改善効果を実証する。その際には、様々な神経学的さらには行動学的評価も行う。さらに細胞移植治療において重要な要素である「遊走」に関して、これまで他報で用いられてきた間葉系幹細胞(MSC)や胎児由来NSCとヒトiPS細胞由来NSCを直接比較解析し、脳内で最適な移植細胞の答えを導くことも学術的な問いとする。本研究開発で脳梗塞に対し有効性・安全性が証明されれば、その他の脳挫傷など含めた再生医療へも広く応用可能であり、様々な疾患に遺伝子細胞治療に応用するための1st clinical trial modelとなり得るプロジェクトである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度は、予定通り、梗塞モデル(中大脳動脈閉塞モデル)作製を行った。塞栓子を用いたフィラメントMCAO モデルであり、仰臥位閉塞時間は30~120 分間とし、塞栓子挿入後一度麻酔から覚醒させた。閉塞時間終了後、塞栓子を抜去し右外頸動脈・総頸動脈は結紮する方法を検討した。本研究計画で使用するマウスはBALB/C Nude mouseであり、一部、重症となりすぎるマウスが生じることや、生じる神経障害の程度を安定化させることにやや時間を要した。梗塞部位はEvans blueで可視化できることを確認した。また脳梗塞前後で握力測定装置、stepping test、cylinder test、stair case test 等を用いて神経学的・行動学的評価がきちんと行えることを確認した。また、Nude mouseに我々が樹立した治療用NSCを移植し拒絶されず生着可能なことも確認した。さらに、我々が樹立した自殺遺伝子(yCD-UPRT)導入ヒトiPS細胞由来NSCを可視化するために、ffLuc発現レンチウイルスベクター(CSII-EF-ffLuc)を感染させ、セルソーターによるクローンソートを行い、ffLucが安定高発現する細胞株を得ることに成功した。

Strategy for Future Research Activity

2021年度はまず、2020年度で樹立しつつある脳梗塞モデルに対する治療用NSCの移植を行う。2020年度に作製した脳梗塞モデルに対して、上記ffLuc導入治療用NSCを移植し、機能改善効果を評価する。具体的には1×10^5~1×10^6個の治療用NSCを梗塞直下線条体に移植し、行動機能評価を経時的に行う。また同様に移植細胞はルシフェラーゼ活性を指標としたBio-luminescence imaging study (IVIS system)により経時的・定量的にモニターする。さらに、採取した脳により組織的に移植細胞の分化や生着も評価する。
脳切片培養を用いた遊走の定量的評価も行う。移植した治療用NSCが梗塞部位に遊走・集積し、細胞死を誘導する様子は、脳を切片培養(slice culture)し、定量解析する。

Causes of Carryover

(理由)効果的に物品調達を行った結果であり、次年度の研究費と合わせて試薬・消耗品などの購入に充てる予定である。
(使用計画)次年度は、より細胞培養、及び動物実験を行っていく、その上でまず動物購入・飼育費に費用がかかる。本治療計画はヒト細胞を用い、BALB/C由来のNude mouseで実験を行う必要がある。以上含め、その他、培養関連試薬、組織解析の関連試薬を中心に購入予定である。

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Published: 2021-12-27  

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