2021 Fiscal Year Research-status Report
脊髄性筋萎縮症における遺伝子型と表現型の関係についての研究
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20K16610
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
加藤 環 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60841492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / 遺伝子型と表現型 / SMN1 / 点変異 / SNV / 次世代シークエンサー / long range PCR法 / イントロン領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年1月から2019年3月の間に当科でMLPA法を実施した323症例から、SMN1遺伝子のexon8の欠失があるために、long range PCR法が不可能な症例158症例を除外した165症例の主治医に説明同意文書、運動機能アンケートを送付した。また当院にかかりつけの患者13症例から説明同意を得た。9症例の主治医から、別疾患と診断済みであり、研究対象に該当しないと返事をいただいた。106症例から返信が無く対象とならなかった。解析対象63症例に対して遺伝学的解析を実施した。2症例において、遺伝学的にSMAと診断確定した。【診断症例1】9歳女児、【現病歴】1歳 気管切開,3歳 胃ろう噴門形成、【検査結果】SMN1 exon7 1copy, exon8 1copy、SMN2 exon7 2copy, exon8 2copy、【研究結果】 hemizygous 既報告変異を認めた。【症例2】56歳女性、【現病歴】12歳 左足の筋力低下を自覚,30歳代外出時に杖歩行,45歳車椅子使用、【家族歴】 両親いとこ婚(再度聞き取りで判明)【検査結果】SMN1 exon7 2copy exon8 2copy、SMN2 exon7 2copy exon8 2copymissense variant homozygous。 【研究結果】本研究でイントロン領域のSNVを多く認めた。これまで、long range PCR法とサンガー法での解析では、SMN1領域のイントロンのSNVは解析できなかった。今回、long range PCR法と次世代シークエンサーを用いたことで、SMN1のイントロン領域のSNVを検出した。今後データベースに登録を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の2年目として、症例の解析を実施した。研究3年目は、イントロンSNVの解析を実施し、学会、論文での発表を予定している。概ね、研究の予定通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目にあたる令和4年度には、イントロンSNVの解析を実施し、学会、論文での発表を予定している。SMN1領域のイントロンのSNVはデータベースへの登録を実施する計画である。また、今年度、当院にかかりつけの症例以外には、解析結果を主治医に返却した。
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Causes of Carryover |
本年度学会発表を行った会場が近隣であったため旅費の支出が無かった。また、試薬は昨年度購入したものを使うことで追加での購入が必要なかったために次年度使用額が生じた。 本年度は解析を実施して学会発表を行う。また、論文化を計画しておりその英文校正代や投稿料に使用する予定である。
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