2021 Fiscal Year Research-status Report
発作間欠期てんかん性放電が認知機能に与える短期的・長期的影響の解明
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20K16613
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Research Institution | National Epilepsy Center, Shizuoka Institute of Epilepsy and Neurological Disorders |
Principal Investigator |
川口 典彦 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (00815219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発作間欠期てんかん性放電 / てんかん / 記憶障害 / 健忘 / 自己免疫性脳炎・てんかん |
Outline of Annual Research Achievements |
発作間欠期てんかん性放電が認知機能に与える長期的・短期的影響を検討している。長期的影響の検討においては長期的記憶障害を評価する認知機能課題・バッテリーを設計し、てんかん患者症例での施行を行い、データを集積ししている。発作間欠期てんかん性放電の認知機能に対する短期的影響については、頭皮上脳波や頭蓋内脳波中に施行する課題も継続して行っている。なお、本研究の全体に関わる検討事項として、発作間欠期てんかん性放電かどうかの判定が問題となる。そのため、発作間欠期てんかん性放電の形態的特徴や基準を提唱する予定である。 近年は健忘発作を特徴とするてんかん症候群が提唱されている。そこで本年は当施設の頭蓋内脳波データベースから純粋健忘発作を後方視的に確認し、健忘(記憶障害)の本質に迫るデータを得た。 また、自己免疫性脳炎・てんかんにおいて記憶障害を呈する症例も多いことから、てんかんと脳炎の診断・鑑別は臨床上重要である。そこで本年はその鑑別に有用な臨床症状の解析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため他の研究者とのミーティングが行えないなど問題もあるが、当初予定した研究のテーマは着実に進行している。計画した研究と並行して、記憶障害に関する新たな臨床的テーマにも着手し、幅広い視点からてんかんと記憶障害の関連や記憶障害の本質に光を当てることが出来ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
発作間欠期てんかん性放電が認知機能に与える影響については、当初計画したデータ収集の基礎は確立したことから、今後はデータの蓄積に努める。発作間欠期てんかん性放電の形態の解析も基礎的研究として重要であることから論文化を進める。新たにテーマとして掲げた健忘発作や自己免疫性脳炎の検討についても、さらなる解析を進めて論文化していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、学会出張や研究のミーティングが行われなかった。物品費については前年度の機材が利用でき故障がなかったため、追加購入が不要であった。次年度以降は研究発表の機会が増え、またデータ収集が進むと予測しており、今年度の予算を有効に活用できると考えている。
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