2022 Fiscal Year Annual Research Report
生理的および認知的過覚醒の残存は大うつ病性障害の再発準備性を予測するか
Project/Area Number |
20K16615
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
竹島 正浩 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (60778736)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | うつ病 / 過覚醒 / HPA軸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は認知的過覚醒がうつ病再発マーカーとなるかを探索することである。研究期間を通じて、大うつ病性障害の治療目的に当院に入院した患者38名が本研究にエントリーした。38名中、入院治療で寛解(ハミルトンうつ病評価尺度で7点以下と定義)に至った患者は30名であった。この30名を1年間追跡したところ、7名が寛解を維持し、10名が再発し、3名が1年間の追跡中に脱落した。10名は現在、follow up中である。研究を完遂した患者17名中、1名に退院時の認知的過覚醒尺度の結果が欠損していたため除外し、16名を対象に中間解析を行った。16名中、7例が1年を通じて寛解を維持しており、9例が1年以内に再発した。寛解維持群と再発群間で、退院時の臨床情報について対応のないt検定を行ったところ、すべての指標において両群間に有意差は認められなかった。(寛解維持群 66.4±6.8, 再発群 60.0±16.8,p=0.370)、認知的過覚醒尺度(寛解維持群 30.4±9.6, 再発群 25.6±10.3, p=0.30)、GAD-7(寛解維持群 5.2±4.8, 再発群 4.4±3.2, p=0.729)、不眠症重症度尺度(寛解維持群 10.7±4.0, 再発群 9.9±3.7, p=0.704)、ピッツバーグ睡眠質問票(寛解維持群 9.3±2.3, 再発群 9.3±2.6, p=1.000)、エプワース眠気評価尺度(寛解維持群 6.3±5.5, 再発群 6.0±5.0, p=0.904)。なお、当初の研究計画では健常成人もエントリーする予定であったが、コロナパンデミックのために健常成人をエントリーさせることはできなかった。
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