2023 Fiscal Year Research-status Report
Coproduction of a Tool to Visualize the Recovery Process of Schizophrenia
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20K16617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 健太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90868944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神科デイケア / 共同創造 / リカバリー / 統合失調症 / 患者市民参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、デイケアに通所する統合失調症などの精神疾患をもつ当事者との協働を通して、回復の定義を考え直し、回復過程を可視化することを目指している。 デイケア利用による「回復」を可視化するため、2023年度は11名からデータ収集の協力を得た。また、デイケア内で有志の当事者と医療者が研究について話し合う共同創造のための検討会(深堀りDH)も引き続き月に1回程度のペースで開催した。 検討会では、研究発表に関する議論やデイケア利用の効果などに関する検討が行われた。 本年度は、専門家が臨床で用いている「生活臨床」の考え方を、自記式の共有可能なものとする尺度(共同創造型―生活・人生態度尺度)の開発を中心に進めた。オンライ ン調査と実地調査で320名のデータ収集を完了した。質問紙を作成したものの、行動出力・情報入力という二元的な構成概念、従来の4型の構成概念について聞いている質問紙にはなっていなかった。既存データから改めて、探索的因子分析を実施し、従来の挑戦行動優先・自己経験照合と高い相関を認める2項目が抽出された。これらと、従来想定されていた4型(のうち相関が高かった2つ)も含めて構成概念妥当性を確認した。挑戦行動優先・が高いと特に動機による行動活性が生じやすく、不安による行動抑制が少なく、柔軟にアプローチを変えることができると考えられた。自己経験照合が高いと不安による行動抑制が強く、また1つのことへの興味を長続きはしにくく、行動(タスク)の切り替えには努力を要し、断片化・細部に焦点をあてやすく、斬新な解釈により開かれていた。以上の内容をもとに論文作成を勧めている。 また主体性をテーマとしているデイケアの中で実施している心理教育プログラム(主体メンテ)の内容や、本人のデイケア通所理由に関する研究を実施し、学会発表を行った。眼球運動に関する論文発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同創造型―生活・人生態度尺度に付いてのデータ収集と解析は順調に進んでいる。しかし、デイケア通所前後のデータ収集は依然少ない。2024年度まで研究計画を延長し、データ収集と解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
共同創造のための検討会を引き続き開催し、当事者と専門家の前提共有を繰返しながら研究を遂行する。共同創造 型―生活・人生態度尺度の論文化、縦断のデータの収集と解析を実施する。
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Causes of Carryover |
データ収集や論文化が遅れており、これらの経費として次年度使用額が生じた。
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[Journal Article] Tablet-Based Cognitive and Eye Movement Measures as Accessible Tools in Schizophrenia Assessment: A Multi-Site Case-Control Study.2024
Author(s)
Morita K, Miura K, Toyomaki A, Makinodan M, Ohi K, Hashimoto N, Yasuda Y, Mitsudo T, Higuchi F, Numata S, Yamada A, Aoki Y, Honda H, Mizui R, Honda M, Fujikane D, Matsumoto J, Hasegawa N, Ito S, Akiyama H, Onitsuka T, Satomura Y, Kasai K, Hashimoto R
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Journal Title
JMIR Ment Health
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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