2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科での臨床研修における研修医の学びの多面的解析
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20K16629
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松坂 雄亮 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30728944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育効果 / 臨床研修 / 精神科 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度より新たな医師臨床研修制度が開始となり、精神科は4週以上の研修が必修となった。ただし、必須診療科としての精神科で研修医が何を学ぶことが望まれているのか、また実際に研修医たちが何を学んでいるのかは、はっきりとしていない。本研究は、精神科での研修を通して、研修医にどのような教育効果が生じているのかを、多角的な見方で明らかにすることを目的に行った。 2020年4月より、長崎大学病院の精神科をローテートする研修医に対して、ローテート開始時と終了時にアンケート調査を開始した。調査内容は精神疾患に対するイメージを問う質問紙(Semantic Differential法)、精神科関連の臨床研修到達目標に対する主観的な理解度と初療に当たる際の自信を問う質問紙(自作のスケール)、多職種連携に対する準備状態を問う質問紙(Readiness for Interprofessional Learning Scale日本語版)の3種類である。2020年度を通して51名の研修医から回答を得た。 精神疾患に対するイメージについては、「明るい」「身近な」「こわくない」などのイメージが、研修することで有意に強くなっていた。研修到達目標に対する理解度や初療に当たる際の自信は、多くの項目において研修後に有意に向上していた。一方で、多職種連携に対する準備状態は、研修前から十分に高く、研修後に有意な変化は示さなかった。 精神科をローテートすることが、精神疾患に対する偏見是正および臨床研修における目標達成に寄与できており、2020年度から精神科研修を必修化したことの意義として見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の開始に合わせて質問紙調査を開始できており、毎月ローテートする研修医から継続して調査への協力が得られている。1年間で51名の研修医から質問紙調査に対する回答が得られており、研究参加者の数としても順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度より開始した質問紙調査を、2021年度も引き続き実施していく。2020年度時点での研究成果を、2021年度の関連学会で発表し、論文投稿を行っていく。質問紙調査に加え、質的研究として、研修医に対するインタビュー調査を計画していく。質的研究はきわめて入念な準備計画が必要であるため、時間をかけて進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、各種学会がウェブ開催に変更され、当初予定していた旅費を支出する機会がなくなった。学会や会議等に参加する環境を整えるため、コンピュータ関連の機材の購入に充てたが、旅費よりも支出は少ない結果となり、次年度使用額が生じることとなった。次年度は今年度の研究を発表する機会を増やそうと考えており、英文校正料や論文投稿料に使用していく計画としている。
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