高齢出産妊婦の効果的な支援方法の検討

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K16639
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小林 奈津子 東北大学, 大学病院, 助教 (80535146)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 高齢出産 / 産科的転帰 / 心理社会的因子 / 養育状況 / 児の発達

Outline of Annual Research Achievements

高齢出産に伴う問題ないし利点について、文献的レビューを追加している。出産年齢の高齢化が養育行動や愛着形成、児の発達に与える影響については、未だ知見が乏しい状況である。
高齢出産妊婦の支援を考える上で注目すべき、妊婦の心理・社会的リスク、身体的・精神的健康状態、精神疾患罹患率（妊娠合併症）、児の出生・発育状況について、東北大学メディカル・メガバンク事業における三世代コホートおよびそのアドオンコホートよりデータの移譲を受け、解析を進めている。データには妊娠初期、中期、産後に渡る情報が含まれており、妊娠受容の状態、不妊治療の有無、就労状況、経済状況、育児支援を含む家庭の状況などの項目を中心に、主にはそれらの妊娠年齢による差異を検討する見込みである。
当科の周産期メンタルケア外来における妊産婦の縦断的調査については、このようなメンタルヘルスにおけるハイリスクグループにおいても、養育における困難や愛着形成に関し高齢出産であることの影響があるかを検討する予定であった。しかし、診療録の後方視的検討を行ったところ、疾患に伴う機能障害の程度の影響が大きいことが予想され、年齢による差異は検出しがたい状況がみえてきた。臨床例のほうがより詳細な情報を含んでいることを活かせるような、他の切り口について検討中である。
COVID-19の影響を受けていた各種学会もオンライン参加やハイブリット開催が一般的になっており、引き続き情報収集や学会発表を行っていく。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

COVID-19の影響で生じた令和2年度の遅延が回復できていない。
データ移譲にあたって、膨大なコホートデータから当研究に必要な項目を選出するのに時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

コホートデータの解析作業を引き続き進めると共に、専門外来における研究の切り口について再検討を進める。

Causes of Carryover

COVID-19の影響で学会や研修会がオンライン化され、旅費等を使用しなかったため。