2022 Fiscal Year Research-status Report
小児期逆境体験についての包括的指標の開発およびうつ病の脳神経基盤との関連研究
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20K16642
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
里村 嘉弘 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (40582531)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児期逆境的体験 / ACEs / うつ病 / 大うつ病性障害 / NIRS / MRI / トラウマ / 気分障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
オリジナルACEs尺度についての信頼性と妥当性の検証、および、うつ病、双極性障害、統合失調症におけるにおけるACEsの実態について、また、ACEsを有する群とそうでない群の比較における性別や教育年数の差異について、論文化を行った。 2022年度は、18名の研究協力者が新たに参加し、近赤外線スペクトロスコピー(Near-infrared spectroscopy: NIRS)を施行するとともに、オリジナルACEs指標を含む各臨床指標の取得を行い、関連解析に向けて、これまでの参加者約850名についてのデータセット作成した。 また、統合失調症患者26名を対象として、構造的MRIを用いた予備的解析を行った。26名中、ACEsを有したのは17名(65.4%)であり、先行研究においてACEsとの関連を認めた左右の扁桃体、海馬、前帯状皮質について、ACEsを有する群とそうでない群の比較を行ったところ、ACEsを有する群において右扁桃体の体積減少を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規ACEs他者評価指標の開発と論文化については予定通りの進捗を得ているが、新規の研究協力者のリクルートに遅れが生じたことから、脳画像指標との関連解析はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、被験者リクルートを積極的に行い、データの取得を目指す。また、ACEs尺度と脳画像指標との関連を検討し、学会発表、および、論文化の準備を行う。
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Causes of Carryover |
新規の研究協力者のリクルートに遅れが生じたことから、脳画像指標との関連解析はやや遅れている。そのため、2023年度には、ACEs尺度と脳画像指標との関連を検討し、学会発表、および、論文化の準備を行う。
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