2020 Fiscal Year Research-status Report
正常圧水頭症におけるグリンパティックシステム機能異常の解析
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20K16650
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森本 芳郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (70816686)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 正常圧水頭症 / グリンパティックシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、モデルマウスの頭部CTの撮像条件の設定と、中枢神経繊毛上皮細胞の培養条件の検討を行った。CFAP43ノックアウトマウス(8週齢)を本学に設置されている動物用マイクロCTを用いて撮像を行い、ある程度マウスの側脳室の体積を計測可能であることが示された。また、マウスの髄腔内に造影剤を注入し、同様の撮像を行うことを検討したが、手技的な困難さのため、令和2年度中に安定した成果を確認することができなかった。また、中枢神経繊毛上皮細胞の培養に関しては、生後1週齢のマウス(WT、CFAP43ノックアウトマウス)の脳を摘出し、1mm以下の厚さにスライスし、脳切片を培養液にて1日程度インキュベートし、浮遊してきた繊毛上皮細胞を回収する、という手順で概ね培養(回収)可能であることが示された。回収できたマウスの繊毛上皮細胞は、RNA-seqを初めとした遺伝子発現解析に使用している。CFAP43遺伝子は、繊毛の微細構造構成因子や繊毛運動に関わるタンパク質の発現に大きく関わっていることが予想されているため、繊毛上皮細胞の遺伝子発現解析を行うことは、当該遺伝子の繊毛上皮細胞における働きを理解するための重要な所見が得られる可能性があると考えている。RNA-seq解析を行うためには、できるだけ多くの細胞数を回収する必要があり、また、できるだけ生理的条件下に近い条件の細胞を回収したいため、上記の繊毛上皮細胞の培養(回収)条件に関して、さらなる改良を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は概ね順調に進展している。コロナウイルス蔓延の影響のため、マウス撮像条件検討における手技的トレーニング(数人で集合し、技術的検討を行う)ことが困難であったものの、それ以外の事項に関しては概ね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスの頭蓋内CTを撮影しながら、マウスの神経行動学的解析を行っていく。また、培養した繊毛上皮細胞を用いて、RNA-seq等遺伝子発現解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ感染の影響で、旅費や人件費が発生しなかった。来年度は旅費や人件費にも支出が生じる予定である。
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