2020 Fiscal Year Research-status Report
高用量抗精神病薬によるグリア損傷および電気けいれん療法によるその修復
Project/Area Number |
20K16664
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小田 靖典 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50770583)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドパミン過感受性精神病 / 神経損傷 / HSP70 / GLT1 / GS |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はドパミン過感受性モデルラットおよび非過感受性モデルラットを作成し、高用量のハロペリドールが線条体、側座核、海馬(CA1,CA3,DG)中の神経細胞やアストログリアに与える影響を、熱ショックタンパク70 (HSP70)、アストログリア中のグルタミン酸トランスポーター1 (GLT-1)やグルタミン合成酵素 (GS)をマーカーとして調査した。 その結果、ドパミン過感受性モデルラットでは線条体や海馬CA3に神経損傷を来たしており、これらがドパミン過感受性精神病の主要症状のひとつである遅発性ジスキネジアの発現に関与していることがわかった。これらの結果をまとめて、現在"Glutamatergic neurotoxicity in haloperidol-induced dopamine-supersensitivity-state rats: the alteration of astroglial processing and heat-shock protein HSP-70 in the striatum and hippocampus"として論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高用量の抗精神病薬が神経細胞に与える影響を調査し、論文投稿出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は神経損傷を来たしたラットに対して、電気ショック療法を行い、神経損傷へ与える効果を検証する。具体的には脳の各部位におけるHSP70、GLT-1およびGSの変動が電気ショックにより改善するかを調査し、さらにはIBA-1やBDNFなどのほかのマーカーについても探索する。
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