2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of urinal biomarkers using metabolome technique for prostate cancer radiotherapy
Project/Area Number |
20K16685
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小原 秀樹 弘前大学, 医学部附属病院, 放射線技師 (10776610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / メタボロミクス / 個別化放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は前立腺物理線量の状況調査及び尿検体の採取を行った.総線量及び治療期間は通常分割2 Gy/1 fraction及び1週間に5 fractionsとして,76 Gy/38 fractions,80 Gy/40 fractionsである.照射方法は強度変調放射線治療を対象とする.尿検体の採取は倫理的配慮のもと,安静である起床後朝1番の尿検体を治療前(治療開始日)から終了後10年のフォローアップまで経時的に尿をサンプリングし,治療における物理線量と有害事象・抗腫瘍効果の診断をレトロスペクティブに解析する.本研究課題は,尿を利用した代謝産物からそれら応答を評価可能なバイオマーカーの探索をし,物理線量と生物応答を時間軸で評価可能な個別化放射線治療の技術開発を目指すことである.治療中の状況把握は,放射線生物学的な情報はほとんど考慮されていなく有害事象の推測が困難である.照射日毎,つまり物理線量毎の尿代謝産物を経時的に観察し,有害事象の推測を行う.有害事象については,照射期間中に排尿障害などが急性有害事象として, また照射終了3か月後にみられる晩期有害事象を分類し,これら事象は診察時の問診より情報をまとめる. 今後の展開として,対象患者から採取した尿を、質量分析を主としたメタボロミクス解析を行い,得られた情報は時間軸を考慮して物理線量,各種有害事象の出現に注目して多変量解析を実施する.放射線治療計画及び実施情報も併用して、比較的高濃度かつ安定的に検出できた尿代謝産物となるバイオマーカーを優先し探索する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初前立腺癌の外部照射を対象としていたが,倫理的配慮のため,強度変調放射線治療の症例のみとなった.強度変調回転放射線治療が17例,強度変調放射線治療が1例として採尿を継続している.それぞれ総線量及び治療期間は76 Gy/38 fractions及び80 Gy/40 fractionsであり,通常分割2 Gy/1 fraction及び1週間に5 fractionsとしている.尿検体の採取は当院に来院する日を対象とし,安静である起床後朝1番の早朝尿を,治療前(治療開始日)からフォローアップ終了後10年まで経時的にサンプリングする.サンプリング対象者と診察情報を調査し,有害事象群とコントロール群を含め,質量分析を主としたメタボロミクス解析を行い,得られた情報は時間軸を考慮して物理線量,各種有害事象の出現に注目して多変量解析を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,前立腺癌の強度変調放射線治療症例のうち,強度変調回転放射線治療が17例,強度変調放射線治療が1例として採尿を継続しており,引き続き症例数を増やす.サンプリング対象者とその診察情報を調査し,有害事象群とコントロール群を含め,質量分析を主としたメタボロミクス解析を行い,有害事象及び抗腫瘍効果を反映するバイオマーカーを探索する.得られた情報は時間軸を考慮して物理線量,各種有害事象の出現に注目して多変量解析を実施する. メタボロミクス解析にはbiocrates社のMxP Quant 500キットを使用し,質量分析装置(AB SCIEX社)にてデータを取得する.代謝物は主要630種のワイドターゲットにて実施する.得られた情報は時間軸を考慮して物理線量,各種有害事象の出現に注目して多変量解析を実施する.バイオマーカーの選抜は,比較的高濃度かつ安定的に検出できたものを優先する.
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Causes of Carryover |
令和3年度は超低温フリーザとそのトレイを購入し,自己採尿キットおよび尿検体を保管するためのチューブも含めた.データ保管用に指紋認証付き外付けSSD,biocrates社のMxP Quant 500キットを購入し,残金を次年度(R4)に繰り越した. その額と当該年度の助成金は,メタボロミクス解析に使用するcolumn systemを購入し,採尿キットおよび尿検体の保管に使用する.また,コロナ禍の影響で,国外の学会や研究集会への現地参加が難しいため,当初予定していた旅費は国内への学会への参加もしくはweb参加費,設備備品費や消耗品費または文献複写代に充てる.他に,論文の英語校正や論文投稿費に充て有効活用する予定である.
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