2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of urinal biomarkers using metabolome technique for prostate cancer radiotherapy
Project/Area Number |
20K16685
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小原 秀樹 弘前大学, 医学部附属病院, 放射線技師 (10776610)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 前立腺癌 / メタボロミクス / 個別化放射線治療 / 急性期有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療中における標的部の詳細な状況把握は非常に難しく,非侵襲的な方法として画像診断はある程度認識できるものの,放射線生物学的な情報を得ることはできない.したがって,リアルタイムに治療効果及びリスク臓器の有害事象の推測する決定的な方法は未だ存在しない.そこで倫理的配慮のもと,尿検体を対象患者から採取し,質量分析を主としたメタボロミクス解析を行い,放射線治療計画及び実施情報も併用してバイオマーカーを探索することが本研究課題で ある. 次々年度(R4)は尿検体の採取およびメタボロミクスを行った.対象とした尿検体は,治療前(治療開始日)から治療終了後の期間とした.総線量及び治療期間は通常均等分割2 Gy/1 fraction及び1週間に5 fractionsとして,76 Gy/38 fractionsであった.照射方法は強度変調回転放射線治療を対象とした.次々年度のメタボロミクス解析の対象は急性期有害事象(尿路系有害事象,Grade 1)有りの7例とコントロール群4例とした. 質量分析計(QTRAP6500+、AB SCIEX)を使用して尿中代謝物630個を分析した.さらに,MetaboINDICATORツールを使用して,代謝物の絶対定量値から生物学的および臨床的応用に関連する234分子を抽出した。 急性有害事象のGrade 1では、VMATによる照射回数と尿中のphospholipase A2 activityとの間に有意な負の相関(r=-0.297、p<0.05)が認められた。さらに、Grade 1の患者では、リン脂質の1つであるPC aa C40:1の減少が示された。これらの結果は、尿中代謝産物中の特異的脂質が、急性放射線障害の予測バイオマーカーとなる可能性を示唆している。本課題終了後も国際専門誌への論文投稿を進めている.
|