2020 Fiscal Year Research-status Report
高感度水動態の可視化技術の開発と腹膜播種モデルへの応用
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20K16696
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
水野 希 (高木希) 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (10509798)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動的核偏極 / 腹膜播種 / 水の可視化 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、DNPプローブのステルス化の検討のため最適な溶媒を検討した。DNP-MRIでは、通常水プロトン(1H)を信号源としているため、ステルス化溶媒に求められる要件としてはMRI非信号(2Hなど)、生体投与可能、生体浸出液との相互作用が極めて低く、スペクトルの線幅に影響を与えないことなどが挙げられる。候補溶媒として生体適用可能な重水素(D2O)、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)についてDNP-MRIを用いて検討を開始し、結果としてD2Oを用いた場合には、DNP-MRIでの信号は無く、プローブのDNP効果の消失が見られることがわかった。また消失したDNP効果は水の混入によりシグナルが現れることも見出した。さらにD2Oはマウスに投与しても毒性を示さないことも明らかにした。 次に、DNP-MRIにおける信号強度には電子スピン励起時間(TESR)を始め多くのパラメータが影響を与えるため、ステルス化溶疑似試料(ファントム)を作製し、ESR照射時間などDNPーMRIのパラメータを変化させて撮像した。またマウス腹部を特異的に計測するための高感度局所検出器を用意し、マウス腹部での高感度計測ができる体制を整えた。水の濃度を段階的(できる限り限界にチャレンジする:目標1滴以下)に変えた疑似資料(ファントム)を用意し、実際に水の濃度とDNP-MRI信号の相関関係を求めたところ、水の量に依存してDNP信号が直線的に増幅することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した研究項目について予定通り研究を実施し、次年度の研究項目に一部移行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が予定より早く順調に進んでいるため、今後の研究として、例えば放射線治療前後の腹水の変化など、本技術の展開につながるような研究項目を取り入れたいと考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度は研究が順調に進み予定より少ない回数で実験および研究の成果を得ることができたため当該助成金が生じた。本年度は、計画調書に記載した計画に加え、発展的な研究も追加で検討するため追加研究に当該助成金を充当する予定である。
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