2020 Fiscal Year Research-status Report
PETとMRIの統合評価による膠芽腫の遺伝子変異予測と予後層別化の検討
Project/Area Number |
20K16702
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高見 康景 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70759901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 11C-MET PET / APTイメージング / 膠芽腫 / 神経膠腫 / 定量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の遺伝子変異の有無を予測する手法を確立し、膠芽腫の化学療法や放射線治療に対する早期の治療抵抗性の有無や予後の層別化を検討することである。2020年度は本研究の初年度に当たり、膠芽腫を含めた神経膠腫でAPTイメージングによる評価をまず行うこととした。第50回日本神経放射線学会で、神経膠腫において、従来の手法とマルチプールモデルを用いた新たな手法でのCEST効果の評価を比較検討した。マルチプールモデルによるパラメータの1つであるAPT・T1は、視覚的に従来の手法によるパラメータであるMTRasymより神経膠腫を明瞭に検出することができた。また、神経膠腫内の信号パターンは、APT・T1やAPT・T2とMTRasymで異なる部分もあり、定量評価はより詳細な病変内のCEST効果の評価法となる可能性が示唆された。以上より、マルチプールモデルを用いた新たな手法に基づいたパラメータのAPT・T1は従来の手法によるパラメータであるMTRasymと同様に神経膠腫の悪性度評価に役立つ可能性が示唆された。 次に、神経膠腫における11C-MET PETの集積とAPTイメージングのパラメータの関係性の評価やIDH1遺伝子変異の有無での11C-MET集積やAPTイメージングのパラメータの差の評価を行った。症例数が少ないため統計学的な有意差は認めなかったが、APT・T1は11C-MET集積との相関が示唆され、神経膠腫の悪性度評価に有用である可能性が示唆された。2021年4月にAOCR2021 Spring in Yokohama、2021年5月に2021 ISMRM & SMRT Annual Meetingで学会発表を予定しており、国内外の研究者とWEB上で意見交換する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膠芽腫6名で11C-MET PET検査とAPTイメージングを実施している。そのうち4名で治療前と治療早期の11C-MET PET検査とAPTイメージングを実施している。研究実施計画では、予定人数として20名程度を設定しており、初年度の実施件数としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り多くの患者で検査を施行出来るように脳神経外科医に協力を依頼し、予定人数に達するように努力していく。経過観察期間が1年を超えた膠芽腫の症例が10人程度まで集まれば、当初の目的である11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の予後との関係を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会出張が取りやめになったため。今後の学会出張に充てる予定である。
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