2021 Fiscal Year Research-status Report
PETとMRIの統合評価による膠芽腫の遺伝子変異予測と予後層別化の検討
Project/Area Number |
20K16702
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高見 康景 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70759901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 11C-MET PET / APTイメージング / 膠芽腫 / 神経膠腫 / 定量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の遺伝子変異の有無を予測する手法を確立し、膠芽腫の化学療法や放射線治療に対する早期の治療抵抗性の有無や予後の層別化を検討することである。2021年度は2020年度に引き続いて膠芽腫を含めた神経膠腫でAPTイメージングによる評価を行うこととした。AOCR2021 Spring in Yokohamaや2021 ISMRM & SMRT Annual Meeting、第61回日本核医学会学術総会では、いずれもマルチプールモデルを用いたAPTイメージングの新しいパラメータの臨床的意義を明らかにするために、既存のMRIの撮影法であるIVIMのパラメータや11C-MET PET検査によるメチオニン集積との関係性を評価した。その結果として、マルチプールモデルによるAPTイメージングのパラメータの1つであるAPT_T1は、メチオニン集積と有意な相関を認めた。また、IDH1遺伝子変異のある神経膠腫では遺伝子変異のない群と比べ有意にAPT_T1の値は低値を示した。第51回日本神経放射線学会では、神経膠腫においてマルチプールモデルによるパラメータと細胞増殖能の指標とされるKi67との関連を評価した。その結果として、APT_T1はki67と有意な正の相関、T2/T1はki67と有意な負の相関を示し、マルチプールモデルのパラメータは神経膠腫の細胞増殖能と相関している可能性が示唆された。 2022年4月に第81回日本医学放射線学会総会、2022年5月に2022 ISMRM & SMRT Annual Meetingで学会発表を予定しており、国内外の研究者とWEB上で意見交換する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膠芽腫12名で11C-MET PET検査とAPTイメージングを実施している。そのうち7名で治療前と治療早期の11C-MET PET検査とAPTイメージングを実施している。研究実施計画では、予定人数として20名程度を設定しており、2年目までの実施件数としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り多くの患者で検査を施行出来るように脳神経外科医に協力を依頼し、予定人数に達するように努力していく。経過観察期間が1年を超えた膠芽腫の症例について、当初の目的である11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の予後との関係を評価する予定である。また、神経膠腫において、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータとIDH1遺伝子変異の有無との関係性の評価や、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータとメチオニン集積やki67との関係性に関するデータなどをまとめ、論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会出張が取りやめになったため。今後の学会出張に充てる予定である。
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