2022 Fiscal Year Research-status Report
PETとMRIの統合評価による膠芽腫の遺伝子変異予測と予後層別化の検討
Project/Area Number |
20K16702
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高見 康景 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70759901)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / CEST / APTイメージング / 11C-MET PET / IDH遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の遺伝子変異の有無を予測する手法を確立し、膠芽腫の化学療法や放射線治療に対する早期の治療抵抗性の有無や予後の層別化を検討することである。2022年度は2021年度に引き続いて膠芽腫を含めた神経膠腫でAPTイメージングによる評価を行うこととした。 第81回日本医学放射線学会総会、2022 ISMRM & SMRT Annual Meetingでは、いずれもマルチプールモデルを用いたAPTイメージングの新しいパラメータの臨床的意義を明らかにするために、既存のMRIの撮影法であるIVIMのパラメータや11C-MET PET検査によるメチオニン集積との関係性を評価した。その結果として、マルチプールモデルによるAPTイメージングのパラメータの1つであるAPT_T1は、従来のパラメータであるMTRasymよりもメチオニン集積と有意な相関を認めた。また、IDH1遺伝子変異のある神経膠腫では遺伝子変異のない群と比べ有意にAPT_T1の値は低値を示した。 RSNA 2022では、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングの新しいパラメータの神経膠腫における臨床的意義を明らかにするために、解析手法を変えた上で、再評価を行い、以前の結果と同様マルチプールモデルによるAPTイメージングのパラメータの1つであるAPT_T1は、従来のパラメータであるMTRasymよりもメチオニン集積と有意な相関を認めた。また、腫瘍の細胞密度と関係するMRIのパラメータであるADCとAPT_T1は有意な負の相関を認めた。 2023年9月に第51回日本磁気共鳴医学会大会、2023年11月に第63回日本核医学会学術総会で学会発表を予定しており、国内外の研究者と意見交換する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたAPTイメージングによる治療抵抗性や予後との関係性を評価できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
経過観察期間が1年を超えた膠芽腫の症例について、当初の目的である11C-MET PET検査とAPTイメージングを組み合わせて膠芽腫の治療抵抗性や予後との関係を評価する予定である。また、神経膠腫において、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータとメチオニン集積、IVIMのパラメータとの関係性や、マルチプールモデルを用いたAPTイメージングのパラメータと悪性度評価やki67との関係性に関するデータなどをまとめ、論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会出張が取りやめになったため。今後の学会出張に充てる予定である。
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