2020 Fiscal Year Research-status Report
Analyses for dynamic movements of the cardiopulmonary system using virtual reality
Project/Area Number |
20K16704
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山城 恒雄 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30772545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動態画像 / 4次元CT / 呼吸ダイナミックCT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療画像用のヴァーチャル・リアリティ(VR)を活用する。VRは、本邦においても手術支援に用いる試みが行われるなど、既存のCTやMRIなどを処理・再構築した、新たな医療画像として注目を集めている。本研究では、通常の3次元(3D)の医療画像を用いるVRではなく、4次元(4D)の動態撮影が行われた医療画像をVR化することで、主に呼吸器や循環器等の各種病的運動(奇異性運動)を新たに、かつ深く認識・可視化できるか、探索することを目的としている。令和2年度(2020年度)においては、解析に使用するVRシステムの調達(米国コロラド州立大学が開発し、日本の代理店となる企業より納入された)と、研究協力機関等で解析対象となりえる医療画像(具体的には4次元呼吸ダイナミックCTや心臓CT、心臓MRI等)の有無に関して予備的調査を行った。なおVRでのサンプルデータの呼吸ダイナミックCTの観察等はすでに開始しており、興味深い現象が観察されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度では特に新型コロナウイルスの流行拡大を受け、VRを米国より輸入・セットアップする日本企業も社外での活動が禁止されるなど、研究協力機関との対面での意見交換等に支障が出ることになった。しかしながら令和3年1月末には、当初より企図していた米国コロラド州立大学開発のVRシステムが日本企業を介して横浜市立大学に納入されるなど、着実な進展が見られた。解析対象とする各種の医療画像に関しては、すでに横浜市立大学附属病院以外でも研究協力機関より匿名化した医療画像の提供の申し出があり、各種の手続きを経て近日中に実際の医療画像のVR変換、並びに観察を始める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究で用いるコロラド州立大学製のVRシステムは、バナナビジョンメディカル合同会社より2セットがすでに横浜市立大学に納入されており、すでにサンプルデータのVR観察を終えたところである。今後は、呼吸器、循環器を中心に種々の動態の医療画像(呼吸ダイナミックCT等)を研究協力機関も含め研究代表者に提供してもらい、実際の観察と解析を始める予定である。現状では、VRで種々の疾患における異常運動を発見・観察する、という性質上、定性的な評価が主になるものと思われるが、定性的な知見を踏まえた定量的解析の可能性を探索することも試みる予定である。
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Causes of Carryover |
VRシステムを納入したバナナビジョンメディカル合同会社は、もともとはJSR株式会社が保有していた米国コロラド州立大学開発のVRシステムの本邦における独占販売権を継承した会社である(JSR株式会社からのスピンアウト会社であり、JSR株式会社に在籍していた上席社員が同合同会社を設立した)。この一連の手続きが、新型コロナウイルスの流行により大幅に遅滞し、本研究で使用するVRシステムの横浜市立大学への納入が遅れることになった。しかしながら、今後は毎月27万5千円のVRシステムのレンタル料が発生し(当初見込みより高額になっている)、今回の科研費での予算支出は研究終了時には特に問題なく完遂できる見込みである。
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