2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いて放射線治療における有害事象の予測精度を向上させる
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20K16708
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
深田 恭平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00647266)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 医学物理学 / 有害事象予測 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療における有害事象を、機械学習を用いて予測する研究を行っている。放射線治療と切っても切り離せない有害事象(合併症)は、治療後に一定期間たってから起こることも多く、予め予測できれば介入の余地がある。有害事象の予測精度向上は、放射線治療を受ける患者のQOLを向上させることが予想される。本年度は、最尤法フィッティングを用いて食道がん治療における心嚢水貯留を予測する研究を共著者として9月に発表し(https://doi.org/10.1038/s41598-021-97605-9)、同様の手法で前立腺がんへの重粒子線治療における直腸への有害事象の生物モデルの検証を筆頭著者として発表した(https://doi.org/10.1016/j.ejmp.2021.08.013)。 両者ともに放射線の線量分布のデータをdose volume histogramという一次元的な情報に置き換えた後に予測に使うものであるが、私が本研究で最終的に実現したいのは空間情報を損なわない3Dデータを直接的に推論に使用して有害事象を予測するモデルを完成したいと考えている。 現時点で、前立腺がんへの小線源治療を行った患者のCT画像と3次元の線量分布、およびその後の尿路系有害事象の有無のデータが揃ったので、深層学習を用いた有害事象予測モデルの開発を行っている。現段階で比較的簡易なモデルをいくつか試したが、予測精度は十分ではなく、さらなる改善が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機械学習に必要なデータはすでに揃ったので予測モデルの構築を行っている。比較的少ないデータ数で深層学習のネットワークを学習させることが難しく、モデル構築は難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
転移学習など、教師データとなるデータ数が少なくても深層学習のネットワークを学習させることができるような手法を幅広く探ってみる。
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Causes of Carryover |
COVID-19により出張を想定していた学会がオンライン開催となり、旅費を支払う必要がなくなったため、次年度の旅費や英語論文の校正費用やオープンアクセスの負担費用に充当する。
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