2022 Fiscal Year Research-status Report
低線量X線透視動画を用いた肺換気・血流イメージングシステムの開発
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20K16709
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山本 浩大郎 帝京大学, 医学部, 助手 (40847729)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 画像診断 / 透視 / 動態解析 / 呼吸機能 / 肺血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
立位、臥位の違 いにより、肺の拡張しやすい部位が変わることが知られており、その結果が画像にどう影響するかを確認するため健常成人ボランティアに協力 していただき、様々な呼吸条件(立位、臥位、息止め、早い呼吸など)での透視画像を収集している。また、息止めをすることにより血流の抽出がしやすくなる か、早い呼吸により解析が難しくなるのかなど解析手法への影響も調査した。 結果、体格や撮影条件も解析結果に影響することがわかってきた。痩身、筋肉質 など体格の違いや呼吸筋の収縮の差異によるX線透過性の変化は画質に影響することがわかった。また、撮影条件としては装置の電圧や電流を一定にしなければ 解析結果にも影響することもわかった。このデータを元に精度が高くなるための撮影条件の検索やアーチファクトを適切に処理するソフト側の解析手法の修正を 行い、当初の目的である慢性閉塞性肺疾患や肺塞栓の研究を行っていく。2021年度は研究中心施設外での勤務であり、また昨今の医療状況もあったため新規の研究計画が困難であり、取得済画像の解析に従事した。2022年度は当施設で多い肺動静脈奇形に関しては画像解析を行ったものの、主に末梢血管での動静脈奇形となるためサイズが小さく、検出には至らなかった。換気画像に関しては肋骨の影響などにより安定した画像作成に難渋している状態である。また、肺塞栓症 が本イメージに与える影響を中心に研究し、造影CTとの対比を検討していく予定であったが機器の変更や移動のリスクなどの問題から倫理委員会を通した前向き探索研究に変更する必要が出てきたためその準備に時間を要している。よって今年度健常者と肺塞栓患者10例ずつ程度を比較した研究を施行し、今後の研究につなげていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度はすでに集積していた透視画像に関して解析を行ったが、透視装置自体にかかっているフィルタの処理が修正できず、違う装置での新規のデータ収集を余儀なくされた。 また、当初CTでの視覚的な気腫性病変との比較を行う予定であったが、goddard分類自体がCOPDの重症度との関連が怪しいものであり、呼吸機能検査との比較を行う方向に修正した。しかし、昨今の感染症による医療状況の変化に伴い、研究施設での呼吸機能検査を行うことが難しいということが倫理委員会に承認提出中に判明した。そのため計画を練り直す必要性が生じ、まずは健常成人のボランティア研究を行い、画像解析手法の純度を高めることとした。その倫理委員会の承認を得るまでに再度時間を要し、遅れが生じた。 2021年度は研究中心施設外での勤務であり、また感染症の状況も大きな変化がなかったため新規の計画立案が困難であった。2022年度は肺動静脈奇形患者のデータを取得したが、異常の検出には至らなかった。換気に関しても肋骨の影響を除することが難しく、良好な解析法が見いだせていない。また肺塞栓患者に対する研究は急性期患者の移動のリスクなどがあるため倫理委員会を通した前向き探索研究に変更する必要があり、研究のスタートが遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
取得データから客観的な影響因子、最適な撮影設定の検討を引き続き開発チームと行っていく。並行して肺塞栓症やなど肺血流イメージに影響を与えるであろう疾患のデータを集積し、解析、検討、論文化していく。
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Causes of Carryover |
有意な結果が得られず、論文化などに至らなかった。今年度も引き続き解析及び新規研究に従事し、論文執筆に関する英文修正費や海外学会費用への使用が中心となる予定である。また研究内容によっては保険加入を要する可能性がある。
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