2021 Fiscal Year Research-status Report
MRIによる癌微小環境をもとにした乳癌サブタイプ分類の診断基準の確立
Project/Area Number |
20K16730
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山口 健 佐賀大学, 医学部, 講師 (10448459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳癌 / 微小環境 / MRI / 灌流画像 / ultrafast / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
画像解析の最適化に向けて、本研究にも応用可能な撮影方法としてのultrafastダイナミック撮影における、乳腺内の悪性病変、良性病変及び正常乳腺の造影開始時間と生理周期と閉経状態との関連を検討した論文を引き続き投稿した(昨年度投稿したが、rejectされたため別の雑誌に投稿)。また、同じくultrafstダイナミック撮影の有用性に関する総論をインナービジョン誌に掲載した(乳房におけるabbreviated MRIおよびultrafast MRIの臨床応用と将来展望 INNERVISION(36.8): 44-46, 2021)。ultrafstダイナミック撮影の有用性に関しては、そこから得られる灌流情報と乳癌の微小環境とも深くかかわる予後因子との関連性について第80回日本医学放射線学会で発表した(演題名:乳房のUltrafast MRIを基にした灌流画像パラメータによる診断能の検討 Abstract S201)。この検討では灌流画像のパラメーターの一つであるKepと乳癌の核異形度、リンパ管侵襲、リンパ節転移との間に相関がみられた。第49回日本磁気共鳴医学会大会においてもultrafstダイナミック撮影に関する教育講演を行った(演題名: 乳房Ultrafast DCE-MRIの臨床における有用性 プログラムP39)。第57回日本医学放射線学会秋季臨床大会でも乳房MRIに関する教育講演を行った(演題名:乳腺嚢胞性腫瘤の画像所見 抄録集 S372)。また昨年度試験的に乳癌内の腫瘍浸潤リンパ球の測定を病理医にお願いして行ったが、症例数が少なかったため、あらためて乳癌内の微小環境としての線維化や壊死、腫瘍浸潤リンパ球とMRI画像との関連性を探求する多施設共同研究(乳癌の壊死、線維化、腫瘍浸潤リンパ球とMRI画像所見に関する検討)を立案し、現在症例の蓄積を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮影方法として応用可能なultrafastダイナミック撮影の研究は進んでいるものの、微小環境とultrafastダイナミック撮影を含めたMRI画像との関連に関する研究についてはなお症例を蓄積中である、症例を可及的に蓄積してさらなる研究結果の発表を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
乳癌内の微小環境としての線維化や壊死、腫瘍浸潤リンパ球とMRI画像との関連性を検討し、学会発表、論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
主に症例蓄積を行った年度であったこと、画像解析には当施設ですでに保有している機器をもちいたこと、CVID19の流行により多くの学会がweb併用の開催形態であったため旅費がさほど生じなかったこと、などにより次年度使用額が生じた。 次年度はCVID19の流行が収束した場合には情報収集のための学会の多くが現地開催の形態で行われることも予想されるため学会参加のための旅費が増加する可能性がある。また結果発表のための論文作成、出版のための費用が生じることも予想される。さらに最終結果を前に研究協力者への謝礼も必要である。
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