2023 Fiscal Year Research-status Report
MRIによる癌微小環境をもとにした乳癌サブタイプ分類の診断基準の確立
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20K16730
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山口 健 佐賀大学, 医学部附属病院, 講師 (10448459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳癌 / 微小環境 / MRI / ultrafast / サブタイプ / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌内の微小環境としての線維化や壊死、腫瘍浸潤リンパ球とMRI画像との関連性を探求する多施設共同研究(乳癌の壊死、線維化、腫瘍浸潤リンパ球とMRI画像所見に関する検討を行っており。症例を蓄積している。今回その中でも内部の壊死に着目し、中心無細胞壊死を伴う乳癌のMRI画像所見に関する報告を第31回日本乳癌学会にて発表した(演題名:中心無細胞領域を伴う乳癌のMRI 所見:病理との対比)。この発表において中無細胞壊死を伴う乳癌は壊死を来した中心部がT2強調像で不均一な低信号を示すことを示した。また、MRI撮像方法のひとつであるultrafastダイナミックスタディ撮影におけるパラメーターと腫瘍浸潤リンパ球との関連性についての検討を第82回日本医学放射線学会で発表した(演題名:乳癌における腫瘍浸潤リンパ球とUltrafast MRI画像との関連に関する検討)。ultarafstダイナミック撮影についてはその概要を広く紹介するための講演を第56回Radiology Update Fukuoka学術講演会で行った(演題名:乳腺領域におけるultrafast MRIの有用性)。この発表において腫瘍浸潤リンパ球が豊富な乳癌は腫瘍浸潤リンパ球が少ない乳癌に比べてultrafast MRIより得られるパラメーターのうちmaximum slopeが高く、time to enhancementが短いことを示した。乳房MRIについては乳癌術前においてその有用性を紹介する講演を第51回日本磁気共鳴医学会大会で行った(演題名:Teaching points of preoperative breast MRI 乳癌術前MRI読影のポイント)。乳房MRIに関する基本的な事項を広く紹介するための講演も令和5年度大分県医師会 がん精密検診協力医療機関研修会で行った(演題名:乳房MRI検査の基本とその応用)。 また引き続き本研究のための症例の蓄積を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに症例の蓄積ができたため、研究成果について学会報告ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度学会報告を行った、中心無細胞領域を伴う乳癌のMRI画像、乳癌内の腫瘍浸潤リンパ球とultrafastダイナミックMRI画像との関連性に関する検討のいずれも論文化を行う。 加えて線維化をはじめとするその他の乳癌微小環境因子とMRI画像に関する検討も行っていく。
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Causes of Carryover |
人件費を当該年度は必要としなかったため次年度使用額が生じた。 翌年度はAIによる新たな解析を行う可能性があり、従来の物品購入や学会出張に加えて解析に必要な業務委託、謝金等に使用予定である。
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