2022 Fiscal Year Research-status Report
新規放射線防護剤の探索―有機化合物の放射線応答性の解明―
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20K16740
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
外山 実千留 朝日大学, その他部局等, 研究職員 (80834168)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 放射線防護剤 / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では抗酸化型放射線防護剤の開発と放射線防護メカニズムの解明を目指している。第一段階として、先行研究によりX線照射下での活性酸素種の変化量が 明らかとなっている化合物を用いて非放射線照射下での抗酸化能の判定を進めている。活性酸素種を試薬によって反応させ、蛍光試薬DHE(Dihydroethidium)、 APF(Aminophenyl Fluorescein)を用いてスーパーオキシドとヒドロキシラジカルの検出を行うことにより活性酸素種の減少を判別する。この実験により非放射 線照射下での抗酸化能が明らかとなれば、X線照射によって活性酸素種との反応性が変化する化合物を発見することができる。 当該年度においてはUV照射下での活性酸素種変化量を測定した。先行研究のX線照射下での活性酸素種の変化量と照らし合わせると、多くの化合物はX線照射時と同様の傾向を示した。よってUV照射下においても平常時抗酸化能を示さずUV照射下でのみ活性酸素種を減少させる化合物が確認された。また反対に、平常時では抗酸化能を示す化合物がUV照射下では活性酸素種の量に変化をもたらさない、もしくは反対に活性酸素種を増加させるという結果もみられた。したがってこれらの化合物は外部からのエネルギーにより、活性酸素種との反応性が変化していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
蛍光試薬を測定するためのマイクロプレートリーダーが故障し、大幅に実験が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
特徴的X線応答反応を示す化合物を選択し、X線照射前後での構造変化を機器分析によって解析を行う。また動物細胞を用いて放射線防護能の評価を行う。
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Causes of Carryover |
機器の故障により実験に大幅な遅れがあったため、実験機器の購入にも遅れが生じた。
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