2023 Fiscal Year Annual Research Report
大腸がん少数個腹部リンパ節再発に対する逐次免疫療法併用・寡分割放射線治療の標準化
Project/Area Number |
20K16741
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40717899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん / 免疫療法 / 放射線治療 / 寡分割照射 / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫療法中に放射線治療を行う症例を対象に、多施設共同前向き観察研究を計画した。 東海圏を中心とした多施設で登録症例を募り、症例の登録を行った。現在は登録および経過観察期間を終了し、データ解析とその公表まで滞りなく完了した。以下にその概要を簡潔に示す。【目的】免疫療法中、緩徐に進行する固形癌を照射した際のアブスコパル効果(AE)発生割合を明らかにする。【方法】登録時より2ヶ月以上前の状態と比較し病変増大が安定(Stable disease)の範疇であることを緩徐進行と定義。休薬期間中の照射を依頼された2020年から2023年の症例を前向きに観察した。免疫療法が終了となるまでに非照射病変が縮小した場合、AEありとした。【結果】対象は12人。最たる原発は肺(4人)と腎(3人)。AEを6人(50%)に認め、その発現までの中央値は4ヶ月であった。AEありの群は、なしの群に比し1年PFSが良好で(80% vs. 0%, p=0.007)、1年OSも良い傾向にあった(100% vs. 75%)。AEありの群のうち2人は免疫療法を終了し、無治療・無増悪生存中であった。有害事象はGrade2を4人(33%; 照射関連2人、薬剤関連2人)に認めたがGrade3以上は認めなかった。【結論】免疫療法中、緩徐進行する対象への照射は、半数でAEが期待でき有望な戦略と思われた。 登録症例は当初の目標よりやや少なかったものの、想定した以上の結果を導き出すことができ、後新たな標準治療戦略を検討するうえでの礎となると考えている。この内容は日本医学放射線学会の学会誌である以下で一般公開されている。Ito M et al. Jpn J Radiol. 2024 Apr;42(4):424-434. doi: 10.1007/s11604-023-01516-w.
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