2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a platform for multicenter imaging reseaches for rare diseases
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20K16748
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋本 祐紀 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (30838991)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低悪性度内膜間質腫瘍 / 希少がん / MRI / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、婦人科の希少がんを皮切りとした、画像診断領域の臨床研究のための多施設間での症例共有ネットワーク及びプラットフォーム構築の礎を作ることである。 まず、開始段階として、当初の予定通り、希少がんである低悪性度内膜間質腫瘍と子宮筋腫とのMRIを用いた感度の高い鑑別法の確立、に取り組んだ。最終的に、計7施設で低悪性度内膜間質腫瘍の症例を25例集めてのMRI解析が可能となった。そして、富細胞性平滑筋腫を含めた非典型的な子宮筋腫42例のMRIと比較することで、MRIによる低悪性度内膜間質腫瘍と非典型的子宮筋腫との鑑別法(AUC 0.86 - 0.89、感度 0.95、特異度 0.67 - 0.69)を作成することができた。同モデルは高い感度を持つため、子宮筋腫の低侵襲手術(核出術)術前評価に併せて用いることで、低悪性度内膜間質腫瘍に対する不用意な低侵襲手術を避け、適切な治療法選択を可能にし、術後再発の危険性の最小化に貢献すると考えられる。現在、上記結果をまとめた論文の作成中である。また、同研究で得られた低悪性度内膜間質腫瘍のMRIに関する知見を、国内の医学雑誌「画像診断」に寄稿した。 また、次の多施設共同研究のテーマとして、機械学習的手法を用いた子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの研究を選んだ。そして、京都大学医学部附属病院と国立がん研究センター中央病院との共同研究を開始した。現在、両施設の倫理委員会の承認を得て、データ収集を行っている所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は希少がんである低悪性度内膜間質腫瘍のMRI所見の確立、子宮筋腫との鑑別モデルの実現、を主目的とした。現在、研究結果をまとめ、論文を作成している段階であり、目的を達成することができたと考えている。 また、子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの作成を新たな課題として選択し、現在二施設での共同研究として開始することができた。この新たなネットワークは、多施設共同研究のネットワーク構築につながると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の「低悪性度内膜間質腫瘍と筋腫とのMRIを用いた鑑別法の確立」の研究結果を論文として報告する予定である。 今年度開始した「子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの作成」については、データの収集・解析を次年度の主な目的としている。具体的には、京都大学医学部附属病院の症例で作成した予測モデルを、国立がん研究センター中央病院の症例に用いて評価することで、再現性の高い予測モデルの実現を目指す予定である。 また、上記の2つのテーマを進めるにあたって直面した多施設共同研究の運用課題の総括を行い、画像診断領域の多施設共同研究における過不足のない効率的ワークフローの確立に役立てる。
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Causes of Carryover |
今年度の研究で得られた知見の学会発表及びOpen access化。
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Research Products
(1 results)