2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a platform for multicenter imaging reseaches for rare diseases
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20K16748
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋本 祐紀 京都大学, 医学研究科, 助教 (30838991)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 希少疾患画像研究 / 多施設症例共有ネットワーク / 婦人科がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、婦人科希少がんを皮切りとした、画像診断領域臨床研究のための多施設間での症例共有ネットワーク及びプラットフォーム構築の礎を作ることである。それにより、希少疾患においても、多施設間での症例収集が可能になり、画像所見及びその診断能の検討、imaging biomarkerの探索など、画像診断における医学的エビデンスの蓄積につなげることができる。 1つ目の研究課題である、「低悪性度内膜間質肉腫と筋腫とのMRIを用いた鑑別法の確立」は既に完了し、本研究結果はScientific reportsの2021年11巻に掲載された。本研究では、非常に稀な悪性腫瘍である低悪性度内膜間質肉腫の症例を計7施設25例収集することができ、非典型的な筋腫と比較することで、MRIを用いた感度の高い鑑別方法を確立した。本研究成果により、術前MRIを用いての低悪性度内膜間質肉腫のリスク評価、そしてそのリスクに応じた最適治療法選択が可能になると考えられる。 また、2つ目の研究課題である「機械学習的手法を用いた子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの確立」について、京都大学医学部附属病院と国立がん研究センター中央病院との共同研究を行っているところである。本研究の目的は、子宮体癌におけるリンパ節郭清範囲の最適化のための、高い精度を持つ術前リスク評価モデルの作成である。現在、研究結果のまとめ、論文作成の段階である。 そして、3つ目の研究課題は、「子宮頸部胃型形質病変の画像診断の多施設共同研究」と設定した。国立がん研究センター中央病院、大阪大学、信州大学の各放射線診断科代表者と、working groupを結成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定のとおり、1つ目の研究課題である、「低悪性度内膜間質腫瘍と筋腫とのMRIを用いた鑑別法の確立」について、計7施設の低悪性度内膜間質腫瘍25例、と2施設の非典型的な子宮筋腫42例とのMRIを比較することで、MRIによる感度の高い鑑別法(AUC 0.86 - 0.89、感度 0.95、特異度 0.67 - 0.69)を作成することができ、本研究結果をScientific reportsの2021年11巻に掲載することができた。 2つ目の研究課題である、「機械学習的手法を用いた子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの確立」については、京都大学医学部附属病院の症例で作成した予測モデルを国立がん研究センター中央病院の症例に適用した結果を得ることができた。現在論文を執筆中である。 3つ目の研究課題として設定した、「子宮頸部胃型形質病変の画像診断の多施設共同研究」については、国立がん研究センター中央病院、大阪大学、信州大学の放射線診断科の各代表者とのworking groupを結成することができ、研究計画作成・実行のための月一回のオンラインミーティングを現在行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
「低悪性度内膜間質腫瘍と筋腫とのMRIを用いた鑑別法の確立」で収集した低悪性度内膜間質腫瘍25例については、得られたMRIの知見の還元を目的として、2022年腹部放射線学会での発表を予定している。 2つ目の課題である、「子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの作成」については、研究結果を論文として報告する予定である。 3つ目の課題である「子宮頸部胃型形質病変の画像診断の多施設共同研究」では、定期的なオンラインミーティングで、専門家間で議論を重ね、臨床意義の高い、画像診断の多施設共同研究を目指す。この新たな婦人科画像診断専門家間のネットワークは、婦人科画像診断における多施設共同研究のネットワークのプロトタイプになりうると考えられる。
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Causes of Carryover |
1つ目の課題で収集した低悪性度内膜間質肉腫25例で得られたMRI知見の還元を目的として、2022年腹部放射線学会での発表を予定している。 また、2つ目の課題である、「子宮体癌術前リンパ節転移予測モデルの作成」についての国内・国際学会での発表を予定している。
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Research Products
(2 results)