2021 Fiscal Year Annual Research Report
早期肺癌の定位照射における低ヨード密度腫瘍面積・体積を用いた予後予測法の確立
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20K16749
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 円葵 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60814291)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Dual Energy CT / ヨード密度腫瘍体積 / 非小細胞肺癌 / 定位照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年5月にJournal of Radiation Researchから本科研費の支援を受けた「Impact of low iodine density tumor area ratio on the local control of non-small cell lung cancer through stereotactic body radiotherapy.」が出版された。早期肺癌に対する定位体幹部放射線治療では、低ヨード密度腫瘍面積割合が高い腫瘍で局所制御率が低くなることを示した。 令和3年度は低ヨード密度、すなわち腫瘍血流が低下している部分の腫瘍体積での検討を進めた。 CT画像データおよびヨード密度データをワークステーションで解析する際に、腫瘍全体をカバーするVOIが自動で作成される。しかし自動作成されるVOIは肺野中心に位置する腫瘍に対しては非常に高い感度で腫瘍の境界を認識することができるが、胸壁に接している腫瘍に対しては胸壁まで腫瘍と捉えてしまい、実際の腫瘍体積よりも大きくVOIが設定されてしまうことが判明した。これらの問題を解決するために、CT値やヨード密度値により腫瘍部分と肺野および肺動静脈を明瞭に分離することができる閾値を設定する作業が必要となった。令和3年度は160腫瘍において、腫瘍・肺野・肺動静脈・胸壁などの軟部組織のCT値およびヨード密度値の測定が主な作業となった。腫瘍と肺野・肺動脈の区別は容易であるが、特にヨード密度値が低い腫瘍では肺静脈・胸壁などの軟部組織との区別が困難であることが判明した。引き続き腫瘍の自動認識能の向上に焦点を当てていく。腫瘍の境界を自動認識できた症例についての解析では、低ヨード密度腫瘍体積の割合が大きな腫瘍では局所再発が高く、令和2年度に低ヨード密度腫瘍面積と予後の比較検討を行った報告と同様の結果となった。
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Research Products
(1 results)