2020 Fiscal Year Research-status Report
SNPsの違いによるパーキンソン病の脳形態学的評価
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20K16753
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大平 健司 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80867101)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Parkinson病 / SNP / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン症患者と年齢をマッチさせてある健常者とでVBM解析を行った。パーキンソン病患者で健常者群と比較して脳容積が減少している部位は同定することは出来なかった。これはパーキンソン病において特異的な萎縮を来すことがないとされている従来の報告と合致している。SNPごとにパーキンソン病患者を分類しVBMでの比較検討を行った。DRD2遺伝子多型の1つであるTaq1A遺伝子多型ではA1キャリアとA2キャリアの2群に分類される。両側前頭葉領域の一部であるPFCに脳容積の差が認められA2キャリアでPFCの萎縮が認められた。Taq1A遺伝子多型では衝動制御障害やギャンブリングなどの前頭葉症状が知られている。我々の得られた解析結果はパーキンソン病の前頭葉症状や脳容積との相関を支持する結果となっている。A1キャリアはA2キャリアと比較すると臨床成績が悪いことが報告されており、我々の予想ではA1キャリアで脳容積の減少が認められることを期待していたが結果は我々の予想とは逆であった。この結果に関してはA1キャリアで代償機構が働いていると推測している。脳の機能低下を補うために脳の容積が代償性に増大することがパーキンソン病で我々の結果も前頭葉機能の低下が代償された結果を反映していると結論づけている。得られた結果に関しては昨年2020年の北米放射線学会で学会報告をした。またこの内容に関しては論文も作成し現在投稿中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン症患者と年齢をマッチさせて健常者とでVBM解析を行った。パーキンソン病患者と健常者においては過去にも報告されているように有意な形態学的差を見出すことはできなかった。Parkinson病患者郡でDRD2遺伝子多型の1つであるTaq1A遺伝子多型において解析を行った結果前頭葉の容積に有意差が認められた。この結果については2020年の北米放射線学会で報告し今後論文化を図る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Parkinson病患者郡でDRD2遺伝子多型の1つであるTaq1A遺伝子多型において解析を行った結果前頭葉の一部であるprefrontal cortexで容積に有意差が認められた。 過去の報告ではこの遺伝子多型では病的賭博や衝動制御障害など前頭葉症状との関連が報告されている。prefrontal cortexの容積差と前頭葉症状を含めた臨床症状に相関があるのかを検討する予定である。また解析した結果を論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により国際学会へ参加することができなかった。また物品に関してもCOVID-19の影響により遅れが生じ今年度での購入ができないものが発生した。
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