2021 Fiscal Year Research-status Report
膵臓癌に対する非侵襲高精度放射線治療を目指した動態解析に関する研究
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20K16757
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 京都大学, 医学研究科, 技術職員 (60725604)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強度変調回転放射線治療 / 膵臓癌 / 呼気息止め法 / 観察者変動 / 至適マージン |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌に対して放射線治療を行う場合、膵臓とその周辺臓器の呼吸性移動が問題となる。本邦において、最も用いられている呼吸性移動対策は息止め法である。この場合、患者の腹壁に置いた体外マーカのみで息止め時の膵臓癌の位置再現性を担保する必要があるため、ある程度の補償領域(マージン)の設定が必要であることが昨年度の研究から導かれた。 マージン算出には、まず、1人当たり15日間の放射線治療を受けた54名の膵臓癌患者において、放射線治療前に撮影した位置確認用Cone-beam CTと治療計画用CTの膵臓癌の位置を比較し、それぞれのCT画像における膵臓癌の位置の差を後方視的に評価した。さらに、放射線治療分野では比較的使用頻度の高いマージン算出のための公式を使用して、膵臓癌の位置再現性を担保するための最適マージンの算出を行った。 一方で、位置確認用Cone-beam CTと治療計画用CTの膵臓癌の位置を合わせ込む(画像照合)際に、担当者間のバラつきが存在し、このバラつきが至適マージンの算出に影響を及ぼすと考えられた。そこで、観察者間による画像照合の変動を評価するために、11名の診療放射線技師を観察者として、放射線治療の経験年数にて応じて2群に分けた。各観察者は膵臓癌患者10症例の15回の治療日のうちの3回を対象として後方視的に画像照合を実施した。個人の観察者変動は治療計画医師の画像照合結果を基準として各観察者の画像照合結果との差として定義した。次に個人の観察者変動を基に各群の集団観察者変動を算出し、2群間の比較を実施した。その結果、個人間の観察者変動は見られたものの、2群間の集団観察者変動に有意差は見られなかった。一方で、画像照合に有した時間は治療経験の短い群が長い群に比べて有意に延長した。これらの観察者変動に関する結果をまとめて、国内学会にて口述発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線治療直前の位置確認用CTと治療計画用CTの膵臓癌の位置を合わせ込む際に生じる観察者間変動を11名の診療放射線技師を対象に解析し,その結果を国内学会にて報告した。また、54名の膵臓癌患者の放射線治療前に撮影した位置確認用Cone-beam CT画像を後方視的に解析し、体外マーカのみで膵臓癌の位置再現性を担保するために必要な補償領域を算出した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究にて、放射線治療前に撮影した位置確認用Cone-beam CTと治療計画用CTの膵臓癌の画像照合の結果から、体外マーカのみで膵臓癌の位置再現性を担保するために必要な補償領域の算出した。一方で、膵臓癌の病期分類に従って、放射線治療計画が変化する。従って、画像照合には放射線治療計画を反映すべきである。 今後は放射線治療計画の方針から54名の膵臓癌患者を2群に分類し、各群の画像照合結果を後方視的に解析する予定である。また、これらの結果から、各群における体外マーカのみで放射線治療計画を反映した膵臓癌の位置再現性を担保するために必要な補償領域を算出し、臨床への応用を検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的な流行により国内および国際学会が中止もしくはWEB開催に移行したため,旅費の次年度使用額が生じた.次年度以降は,国内および国際学会へのWEB参加を積極的に行い,有効に活用する予定である
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Research Products
(2 results)