2023 Fiscal Year Research-status Report
4D Flow MRIを用いたバッド・キアリ症候群の血流定量解析
Project/Area Number |
20K16762
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土屋 奈々絵 琉球大学, 病院, 講師 (70647354)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 4D flow MRI / バッド・キアリ症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,バッド・キアリ症候群の新たなイメージングバイオマーカーを見つけることを目指したプレリミナリ研究であり, 4D-flow MRIを利用して,バッド・キアリ症候群の複雑な血流異常の新たな視覚的・定量的な解析法を開発することが目的である。4D-flow MRI撮影を行ったバッド・キアリ症候群患者6例(男性4例、女性2例)に関して臨床情報と画像評価を行った。4D-flow MRI画像(24回9セット)で下大静脈(狭窄部、狭窄部の近位と遠位)、肝静脈、門脈、側副血行路の視認性を良好、可、不良の3段階で評価した。血流描出の頻度、また高いVENC(50 ~100cm/s)、低いVENC(15~30cm/s)での描出の変化を調査した。9セットのMRI画像のうち下大静脈は4セット、右肝静脈4セット、中・左肝静脈は7セットで閉塞しており、血流は描出されなかった。閉塞がなければ下大静脈の狭窄部、肝静脈、門脈、側副血行路は全ての画像で血流が描出された。下大静脈近位1セット、遠位3セットで血流描出が不良であった。下大静脈狭窄部および狭窄近位ではVENCが高いほうが、肝静脈・門脈・側副血行路はVENCの低いほうが描出良好という傾向があった。本研究の検討症例の中で、造影CTでは肝部下大静脈と左右肝静脈近位は閉塞し、中肝静脈は開存しているようにみられたが、4D-flow MRIでは中肝静脈と右心房間で膜様狭窄、ジェット流を認め、高度狭窄が示唆された症例があった。本症例は下大静脈再建・中肝静脈再開通術が施行され、4D-flow MRIで示された中肝静脈の膜様狭窄が証明された。CTでは描出されない狭窄も4D flow MRIでは評価可能なことが確認され、4D-flow MRIの有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度でも引き続き、症例のさらなる蓄積を目標としたが、予定通り進まなかった。目標症例数には達していないものの、これまでの研究成果をまとめて学会発表をすることができた。次年度ではこの成果を論文として発表することを目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度ではこの成果を論文として発表することを目標とする。 原著論文としては症例数が少ないため、症例報告の形式で成果としてまとめることを目標とする。
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Causes of Carryover |
研究の症例蓄積が進まず、研究に遅れが生じたため、研究費の次年度使用額が生じた。次年度では、成果を論文としてまとめて発表予定であり、英文校正費・論文投稿費として研究費を計上する計画である。
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