2020 Fiscal Year Research-status Report
化学交換飽和移動MRIを用いた脳内グリシン動態モニタリング法の開発
Project/Area Number |
20K16774
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大野 健 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (40826153)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 磁気共鳴画像法(MRI) / 化学交換飽和移動法(CEST) / グリシン(Glycine) / サロゲートマーカー / 統合失調症(Schizophrenia) |
Outline of Annual Research Achievements |
MRIの撮像手法の一つに化学交換飽和移動を利用した代謝物イメージング法であるCEST-MRIがある。今年度はCEST-MRIによる代謝物イメージングの実現・活用を目的として、既知濃度・pHのグリシン溶液を用いて撮像条件やデータ処理・解析に関わる条件の検討・最適化を行った。 撮像条件の最適化については、RF照射パルス波形、パルス長、パルス間隔等の最適化を行った。RF照射パルスの波形は、Gauss波形においてCEST効果とMRI装置への負荷のバランスが最適となることが分かり、現在、撮像条件に採用している。また、MRI装置のduty cycleが許す限りパルス間のギャップを短くすることにより定量性の向上がみられることを確認し、現在パルス間隔を従来の10msから3msに短縮した撮像法を採用している。 データ処理・解析法の最適化については、MRIの静磁場であるB0の高精度な補正法であるWater Saturation Shift Referencing(WASSR)法を導入し、溶液での定量性の向上を確認した。さらに、CESTにて得られたZ-スペクトルを正確にfittingすることによって定量性を上げるために、Z-スペクトルをfittingするアルゴリズムを導入し、溶液での定量性の向上を確認した。 以上の検討を通し、CEST-MRIを用いたグリシン濃度測定の基礎を確立することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画で予定されていた既知濃度・pHのグリシン溶液を用いた基礎検討を行い、画像処理プログラムの最適化を終えた。次年度に計画している生体(マウス)への技術応用を行い、現在、基礎検討を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
CEST-MRIを生体(マウス)へ応用する。グリシン溶液を用いて最適化した撮像法および画像処理プログラムを生体に応用し、撮像条件を最適化する。
|
Causes of Carryover |
購入予定の特注ファントムが想定より安価で購入出来た。また、COVID-19の影響で参加予定の学会がweb開催となり、旅費として計上していた費用が不要となったため、余剰分が生じた。
|