2023 Fiscal Year Annual Research Report
免疫治療における効果予測・評価のための低酸素イメージングバイオマーカーの確立
Project/Area Number |
20K16781
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 史郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低酸素 / FMISO / デジタルPET |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内における低酸素を評価する方法としてゴールドスタンダードであるFluoromisonidazole(FMISO)PETは世界で確立されており、かつ当院においてもFMISO PETを用いた研究は多数あり、その有用性も世界的に認知されているが、日本においては未承認薬である。そのため、FMISOを用いた検査を施行するために、未承認新規医薬品等管理部への申請に必要な書類整備を進めたが、特定臨床研究での施行が望ましいと判断され、特定臨床研究での実施を行うこととなった。改めて、特定臨床研究として臨床研究法下で研究施行の準備を行った。また、臨床研究法に適応したFMISOを作成するため、放射性同位元素から放射性医薬品の合成、品質管理に関連する各関連部署との打ち合わせや研究を開始する上での調整を行った。現在、特定臨床研究法での研究開始の審査を行っているところである。 臨床研究開始に向けて、digital PETの性能について、既存のanalog PETとの臨床的な性能の違いについて、後ろ向きの研究を並行して行った。過去に頭頚部癌患者でdigital PETとanalog PETの両方でFDG PETが撮像された患者を後ろ向きに集め、生理的な集積を示す小構造の定量評価であるStandardized Uptake Value (SUV)を比較した。その結果、下垂体や副腎、胃食道接合部、腰髄膨大部、精巣上体のSUVはdigital PETで有意に高く測定されることが分かった。また既存のanalog PETで報告されている各臓器の良悪の鑑別に有用な閾値は、digital PETでは過大評価されてしまうことが分かった。同内容をAnnlas of Nuclear Medicine誌に報告した。
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