2021 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of blood flow with 4D flow magnetic resonance imaging in patients with aortic dissection
Project/Area Number |
20K16787
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
東川 貴俊 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60832516)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 大動脈解離 / 4D flow MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は大動脈解離の実患者に対して4D flow MRI撮影を行い、撮影シークエンスの決定および画質評価、撮影方法の詳細について検討を行った。大動脈解離の増悪と関連があると先行文献で報告されているパラメータについて当院の撮影でも計測・評価可能であるか実際に計測を行い、再現可能であることを確認した。4D flow MRIを用いるとCTでは造影剤を使用しないと大動脈内の血流評価ができないところを非造影でも大動脈内の血流を評価することができ、非造影MRI撮影での大動脈血流計測および視覚的な血流動態把握が実用に耐えうることも確認を行った。撮影方法は従来法では1人の患者に対して4D flow MRI撮影を行うと40分程度の検査時間を要していたため、高速撮影法(Compressed SENSE法)を用いて撮影を行い、検査時間の短縮と患者負担の軽減に努めた。 また、学会参加については2021年10月に開催された日本脈管学会および2022年に開催された日本医学放射線学会に参加し、4D flow MRIを用いた大動脈の血流評価セッションに参加し、最新の情報を得るように努めた。 関連する論文としては2021年度にEuropean Journal of Cardio-Thoracic Surgery誌にて偽腔の乱流が生じている症例では大動脈径拡大のリスクが高いと報告された。今後は4D flow MRIで偽腔の乱流の程度についても検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症の流行が2021年度も続いたため、海外学会への参加などは基本的にできなかった。また、大動脈解離の患者数は多くはなく、症例のリクルートが当初予定していたほど順調に進んでいないことから研究にやや遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規発生の大動脈解離のみを対象とすると十分な数の症例をリクルートすることができないと予想されるため、亜急性期~慢性期の比較的状態の落ち着いている患者も対象に加え、慢性期の大動脈径増大や大動脈関連有害事象(大動脈関連死、侵襲的治療介入、大動脈破裂など)と4D flow MRIの撮影パラメータとの関連についても検討を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
海外学会への参加を予定していたが、COVID-19感染症の拡大があり所属機関より海外出張は行わないように要請があった。これによって出張費が当初の計画より少なく済んだため。 2022年度はCOVID-19の感染状況が落ち着くことを期待し、海外を含めた学会や研究会に参加したいと考えており、その旅費としての使用を計画している。また、研究に関連する書籍、論文、PC、ソフトウェアなどについての購入も計画している。
|