2020 Fiscal Year Research-status Report
深部膿瘍に対するNon-thermal ablationを用いた新規治療の開発
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20K16788
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
辻田 有志 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (00852435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IRE / 深部膿瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はIrreversible electroporation(以下IRE)と呼ばれる、経皮的に電極針を挿入し通電する技術の、深部膿瘍に対する有用性を検討する研究である。IREはこれまで局所進行膵癌や肝細胞癌で治療応用され、今後はその他の悪性腫瘍について応用が期待されている。肺の難治性膿瘍に対しラジオ波焼却療法が報告されており、本研究では深部膿瘍(肝膿瘍)を有するマウスを用いて前述の有用性について検討する予定である。 1つ目の研究課題として、培地上の細菌に対する殺菌効果の最適なIREパラメーター〈電圧(voltage)・通電時間(us)・通電間隔(s)・通電回数〉を設定した。細菌は臨床検体より分離したメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を使用した。液体培地は Luria Broth培地を使用し、この培地に粉末寒天を追加して半流動培地(最終寒天濃度:0.5%)を作成、シャーレに半流動培地を注ぎ、黄色ブドウ球菌を混入し常温管理した。この手法により今後安定して細菌培地の提供を行い、以後の研究で使用予定の皮下膿瘍モデル、肝膿瘍モデルマウスの作成が可能となる。 本研究とは直接の関連は乏しいが、本年度には肝特異性造影剤によるMRI検査での肝機能評価に関して、海外雑誌での論文発表、国内学会での研究発表を行った。また、現在はMRIを用いたびまん性肝疾患の定量評価に関する論文を作成中である。 本年度は液体培地等の消耗品や関連する書籍の購入、学会参加費、論文の英文校正費等に補助金を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、培地上の細菌に対する殺菌効果について、IREパラメーターの最適値を設定し、背部皮下膿瘍モデルマウスを用いた動物実験の開始を本年度中に予定していた。昨今の社会情勢のため、研究室の立入禁止や消耗品、備品の納入の遅れ、学会発表の中止等が重なり、現時点では細菌培養の手法のみ確立した。また、細菌は臨床検体より分離した黄色ブドウ球菌を使用したが、そちらの採取も同様の理由で滞ったことも進捗の遅れの要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
購入予定の遺伝子導入用のelectroporatorで培地上での殺菌効果に最適なIREパラメーターを検討する。黄色ブドウ球菌を混入した培地の一部をBALB/cマウスの皮下に注射し、マウス皮下膿瘍モデルを作成する(免疫反応により膿瘍形成が困難な場合は移植2日前に放射線照射を行う)。上記で設定したIREパラメーターで皮下膿瘍に対し通電し、殺菌効果について検討する。また、膿瘍腔周囲の正常皮膚、皮下組織の壊死の有無も併せて評価する。 さらに黄色ブドウ球菌を混入した培地の一部を肝内に移植し、肝膿瘍モデルも作成する。こちらは開腹下で通電し、皮下膿瘍モデルと同様に殺菌効果を確認する。また、膿瘍腔周囲の肝実質および門脈等の脈管の開存についてはH&E染色や免疫染色を行い、周囲既存構造の状態を確認し、血管構造の壊死の有無を評価する。
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Causes of Carryover |
昨今の社会情勢のため当初予定していた学会発表の多くが中止となり、研究室の使用中止もあり備品の購入等本年度中に行えなかった。次年度以降に遺伝子導入用electroporator、電極針、麻酔器、外科器具等購入を予定している。状況により日本放射線学会・日本IVR学会等国内学会やRadiological Society of North America等の国際学会にも参加予定であり、旅費や滞在費の一部に使用する。また、国際学会における成果の発表や論文投稿の際に必要な英文校正費にも使用する。
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Research Products
(2 results)