2022 Fiscal Year Research-status Report
4次元コーンビームCTを利用した体内線量分布計算システムの確立
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20K16793
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
下東 吉信 熊本大学, 病院, 診療放射線技師 (60771110)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 4D-CBCT / 4D-CT / 体内線量分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
生理的呼吸運動や臓器の体内移動を伴う部位の放射線治療では,安全に放射線量を腫瘍に投与するため,呼吸や体内移動を考慮した高精度な位置照合が重要である.また,日々の治療において呼吸運動量や体内移動量は治療計画時と異なるため,治療前または治療後に体内の線量分布を計算し,線量評価するシステムが必要である. 本研究では,呼吸や体内移動を伴う部位の放射線治療における高精度な線量投与の実現を目的に,呼吸や体内移動の4次元情報を有する4次元コーンビームCTを利用した体内線量分布計算システムの確立を目指すことである. 本年度は研究計画に沿って実施を予定していたが,前年度に引き続きコロナウイルス感染症拡大のため,進捗状況としてはやや遅れている.しかし、呼吸性移動ファントムを用いた4次元CTと4次元コーンビームCT撮像は終了しており、治療計画装置や支援装置での処理・解析を進めている. また本年度の研究実績では,肺腫瘍を模した呼吸性移動ファントムによる測定と肺腫瘍症例(10症例)をレトロスペクティブに解析し,新しく開発された呼吸信号装置を有しない4次元CT(デバイスレス 4次元CT)の精度を,十分に精度評価された既存の4次元CTと腫瘍標的体積,呼吸性移動による腫瘍位置に関して比較を行い,その精度評価を行なった.デバイスレス 4次元CTは,既存の4次元CTと比較して十分な精度を有しており,臨床使用に有用であることが示された.本研究は,国際雑誌に論文として発表することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究計画に沿って実施する予定であったが,前年度に引き続きコロナウイルス感染症拡大のため,進捗状況としてはやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において,呼吸性移動ファントムを用いた4次元CTと4次元コーンビームCT撮像は終了しており,治療計画装置や支援装置での処理・解析を進めていく.研究期間延長申請を行い受理されたため,研究計画に沿って研究課題を遂行する.
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Causes of Carryover |
本年度は,コロナウイルス感染症拡大で進歩状況としてやや遅れ,それに伴い研究費に残額が生じ,387,567円の繰越金が生じた.これは,来年度の研究経費(物品費,旅費など)に使用を予定している。
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