2023 Fiscal Year Annual Research Report
ディープラーニングを用いた胸部レントゲン画像からの心機能の推定
Project/Area Number |
20K16798
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
島崎 覚理 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (30803100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工知能 / AI / 僧帽弁逆流症 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体を通じて、ディープラーニングを用いた胸部レントゲン画像からの心機能の推定に関する研究を行った。一昨年には、胸部レントゲン画像から僧帽弁逆流症を診断する画期的な手法を開発し、その成果を国際学術誌に発表した。この研究では、大規模な胸部レントゲン画像データセットを用いて、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を構築し、僧帽弁逆流症の診断に高い精度を達成することに成功した。この成果は、非侵襲的かつ低コストな心機能評価の可能性を示すものであり、臨床現場への応用が期待される。 本年度(最終年度)においては、前年度までの研究成果を発展させ、多施設から収集した胸部レントゲン画像データの収集と整理を行った。複数の医療機関から提供された大規模なデータセットを統合し、画像の品質管理や標準化を行うことで、より頑健かつ汎用性の高いディープラーニングモデルの構築に向けた基盤を整備した。また、収集したデータを用いて、今後の応用可能性についても検討を進めた。 研究期間全体を通じて、胸部レントゲン画像という日常的に撮影される画像データから、ディープラーニングを用いて心機能を推定する新たな手法を開発し、その有効性を実証してきた。本研究の成果は、心疾患の早期発見や経過観察、リスク評価など、幅広い臨床応用が期待され、患者の予後改善や医療コストの削減に寄与するものと考えられる。今後は、さらなる精度向上や適用疾患の拡大、実用化に向けた検証などを進めていく予定である。
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