2021 Fiscal Year Research-status Report

放射線治療の予後不良因子に関わるヒアルロン酸分子量の解明

Research Project

Project/Area Number	20K16814
Research Institution	Hirosaki University
Principal Investigator	嵯峨涼弘前大学, 保健学研究科, 助教 (50794145)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords	ヒアルロン酸 / 放射線抵抗性 / 癌幹細胞
Outline of Annual Research Achievements	本研究は、放射線治療の予後不良因子である癌細胞の放射線抵抗性獲得および遠隔転移に関連するヒアルロン酸分子量を探索することを目的としている。2020年度の研究成果により、放射線抵抗性を獲得した口腔扁平上皮癌細胞株であるHSC2-RおよびHSC3-Rの培養上清に含まれるヒアルロン酸分子量は、それぞれの親細胞株であるHSC2およびHSC3と比較して、分子量分布に変化は見られなかった。したがって、2021年度はパウチと酸素吸収剤を利用した低酸素環境にて上記の細胞株を培養し、分子量分布測定のためのサンプルを収集した。また、それぞれの細胞株に含まれる癌幹細胞割合をマーカーにより測定し、癌幹細胞抽出の際に使用するマーカーの探索を行った。ヒアルロン酸が放射線抵抗性に関係するかどうかについてもヒアルロン酸合成阻害剤を使用し検討した。2022年度は、低酸素環境および癌幹細胞マーカー陽性細胞のヒアルロン酸分子量分布を測定する予定である。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 4: Progress in research has been delayed. Reason ヒアルロン酸画分を抽出するために大量の培養上清が必要になり、パウチを利用した低酸素培養では少量ずつでしか培養出来ず、サンプルの確保に時間を要した。さらに、口腔扁平上皮癌細胞株の癌幹細胞マーカーについて様々な報告があり、特定のマーカーの確立に至っていないため、ソーティングに使用する癌幹細胞マーカーの探索に時間を要した。これらの理由で遅れていると判断した。
Strategy for Future Research Activity	低酸素培養で収集したサンプルおよび癌幹細胞マーカーによってソーティングした細胞のヒアルロン酸分子量分布測定を行い、分子量分布に変化が見られた場合、そのメカニズムの検証も行う。
Causes of Carryover	2021年度に予定していた癌幹細胞マーカーを用いたソーティングおよび抽出した細胞の癌幹細胞様特性確認が行えなかったため残額が生じた。2022年度は、残額分を用いてこれらの検討を行う予定である。