2021 Fiscal Year Annual Research Report
自己血T細胞エクソソームを用いた新規免疫放射線療法の開発
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20K16825
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 光 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60824208)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 免疫チェックポイント阻害剤 / エクソソーム / 免疫放射線治療 / 細胞障害性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤を併用する免疫放射線治療は有効な併用療法であり、一部のがん種では標準治療としても位置づけられる。一方で、エクソソームは、生体内のほぼすべての細胞から放出される細胞外小胞で、ドナー細胞膜上の重要なタンパク質やmiRNA等を包含し、他の細胞にこれらの情報を伝達する。つまり、自己免疫細胞やがん細胞には免疫チェックポイント分子が発現している事が知られており、放出されるエクソソーム膜上にも同様に発現していると思われる。我々は自己血に由来するエクソソーム膜上に発現した免疫チェックポイント分子を応用することで、より個別化された免疫放射線治療が実現できるのではないかと考えた。 まず我々は生体からのエクソソーム単離方法を確立した。次に、マウスの脾臓からCD8陽性T細胞を単離し、72時間培養させた後に、培養上清においてエクソソームマーカーであるCD9が発現している事を、ウエスタンブロッティング法を用いて確認した。また、CD8陽性T細胞由来エクソソームを抽出し、ウエスタンブロッティング法によりPD-1が発現している事を確認した。最後に、CD8陽性T細胞由来エクソソームにおいてはCD47が発現していることをウエスタンブロッティング法で確認した。単純にエクソソームを生体に投与するのみではマクロファージにより貪食される可能性が高い。CD47は所謂don’t eat me signalであり、投与時にマクロファージによる貪食を回避できる可能性がある。 CD8陽性T細胞由来エクソソームにはPD-1やCD47が発現しており、同一個体から単離したPD-1/PD-L1の親和性を考えるとPD-L1阻害剤として、免疫疲弊のブレーキ療法への応用が期待できる。今後は、生体からのCD8-EXO-PD-1単離量の確保が課題となる。
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