2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮動脈に対する4D-flow MRIの有効性と臨床的有用性の検討
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20K16828
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
伊良波 裕子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50305207)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊婦 / 子宮動脈 / 4D-flow MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、4D-flow MRIを用いて妊婦の子宮動脈を評価し、その有効性と有用性について検討することである。 まず4D-flow 解析に必要なソフトを当科医局員の土屋奈々絵助教と共同購入した。WEB会議を行い、ソフト開発者にソフトの使用方法・解析方法の手順などを教えてもらい、解析に必要な環境を整えた。 次に子宮動脈の4D-flow MRIの撮影用プロトコルを作成した。具体的にはこれまでの4D-flow MRIの報告や文献などを参考にして、メーカーの技術者に協力してもらい、妊婦が撮影に耐えうる時間等も考慮しながら、4D-flowのプロトコルを作成した。実際に作成したプロトコルを用いて、成人女性のボランティア(当科技師・医師など)で子宮動脈の描出および4D-flow解析が可能であることを確認した。同時に当研究施設における研究実施計画書を作成し、倫理審査申請を行った。承認が得られた後、4D-flow MRI撮影の同意が得られた妊婦に対して4D-flow MRIの撮影を開始した。撮影は特に問題なく施行され、現時点で3症例に撮影を行った。 撮影後の詳細な解析はこれからであるが、妊婦の子宮動脈の描出パターンは、妊婦ではない通常の成人女性に比較し、明らかに拡張し血流が増加していることが4D-flow MRIでも確認された。また、大動脈や内・外腸骨動脈と比較し、子宮動脈は拡張期でも定常的に血流が維持されているのが視覚的に確認可能であった。これは、正常妊婦の超音波で確認される、子宮動脈血流波形における拡張末期血流速度の上昇と同様の現象を反映する所見と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施計画書を作成し、R2年12月に倫理審査委員会の承認を得た。産婦人科医師に依頼し、胎児あるいは胎盤疾患でMRI撮影が必要となった患者に研究目的を説明し、同意が得られた症例に対して4D-flow MRIの撮影を開始した。しかし産婦人科カンファレンスにこの研究の目的と意義について周知、再確認していただいたところ、3テスラMRIによる妊婦の撮影に対する産婦人科医の同意が得られず、事実上研究は中止の状態となった。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦の3テスラMRIにおける安全性についての論文が今後さらに増えればその旨産婦人科医に論文の紹介・解説等を行い、理解が得られれば研究再開が可能と思われる。現時点ではまだ産婦人科医の同意、協力は得られておらず、また期間内に研究を遂行できるかは不明である。ひきつづき妊婦の3T-MRIに関する論文報告を収集し、同時に4D flow MRIが施行された3例に関しては国内学会などで発表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延等に伴う次年度使用の延長申請が承諾されたため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、今後国内学会発表の際に発生する旅費や学会費に加え、症例のデータ解析やプレゼンテーション・論文作成に必要なPCおよび周辺機器の購入などに充当する予定である。
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