2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of intracellular reation through LINC complex in X-ray enhanced cell migration
Project/Area Number |
20K16838
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
今泉 大将 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90848160)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 放射線治療 / がん転移 / 核膜タンパク質 / LINC複合体 / LINC complex / SUN1 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療の1つであるX線治療には、亜致死線量照射によりX線誘発性のがん転移を引き起こすという課題があり、細胞レベルにおいても同様に、X線照射によりがん転移に関連する細胞運動が亢進する現象が起きる。そこで、なぜX線を照射した際に細胞運動が亢進するのかということは学術的に明らかにしなければならない。本研究において、LINC複合体構成因子SUN1を例にとり、放射線誘発性の細胞運動に関わる細胞極性や小胞体ストレスといった細胞内反応がLINC複合体と関係があるか否かを明らかにすることを目的とした。 最終年度である2022年度は主に「X線照射後の小胞体ストレスとLINC複合体の関係」を明らかにするために実験を実施した。LINC複合体構成因子SUN1の発現抑制を行うための試薬を細胞株へ導入し、小胞体ストレス応答に関係のあるPERK/eIF2α伝達経路を用いてX線照射後の小胞体ストレスの評価を実施し、LINC複合体が小胞体ストレスに関係することを明らかにした。 この研究課題により「細胞運動に関わる細胞極性や小胞体ストレスといったX線照射後の細胞内反応に対してLINC複合体が関係していること」、さらに「SUN1には種類がありその中で主要に発現するSUN1_888やSUN1_916が細胞極性や小胞体ストレスといったX線照射後の細胞内反応に対して果たす役割が異なること」が明らかになった。この結果を受けて、今後は他の研究課題において、がんの悪性化とLINC複合体に着目し、より詳細な機序解明に取り組む予定である。
|