2021 Fiscal Year Research-status Report
Lung Ultrasonography for the Diagnosis of Neonatal Pneumoniae
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20K16839
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Research Institution | Ibaraki Children's Hospital |
Principal Investigator |
星野 雄介 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (00867195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺超音波検査 / NICU / 早産児 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産児は長期臥床しているため、肺浮腫や無気肺は重力の影響を受けて肺内で分布すると想定し、(例えば普段仰臥位でいる症例は病変は背側に認めることが多く、腹臥位でいる症例は腹側に多い)、この重力の影響による肺病変分布を肺超音波検査で評価することを試みました。 対象は当院NICUに入院した在胎32週未満の早産児で、前方視的観察研究を行いました。肺超音波検査は日齢7・14・21・28に行いました。肺の前面を鎖骨中線上、肺の後面を肩甲線上で観察し、左右合わせて4ヶ所で超音波検査を行いました。肺超音波検査の所見は、過去の報告を参考に0点:『Aライン』のみ、1点:『Aライン』と『Bライン』が混在、2点:『White Lung』、3点:『Consolidation』形成、と定義しました。重力の影響を受ける部位(DL;Gravity-dependent lungs)と受けない部位(NDL;Gravity-nondependent lungs)における肺病変分布の差を、肺超音波検査スコアで評価しました。(具体的には,仰臥位でいる症例では肺の前面をNDL群、肺の後面をDL群と定義し、腹臥位でいる症例では肺の前面をDL群、肺の後面をNDL群と定義しました。)それぞれ左右2ヶ所で観察し症例ごとにDL群とNDL群でスコア(0~6点)を算出しました。 日齢7・14・21において、DL群とNDL群における肺超音波検査スコアに有意差を認めました(日齢7, P = 0.01;日齢14,P < 0.001;日齢21,P = 0.003)が、日齢28では2群に差を認めませんでした(P = 0.064)。肺病変分布の経時変化に関しては重力(P < 0.001)と時間(P = 0.01)における主効果を認めましたが,重力×時間の交互作用は認めませんでした(P = 0.076)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた計画では対象になる患者数が少なく、治療が進んでしまうと所見が改善し検査をするタイミングを逸してしまうことが多々ありました。そのため評価対象を変更することで、結果・成果を残せております。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に行った「肺超音波検査スコア」による様々な評価を継続し、早産児の呼吸管理への応用を目指します。 具体的には早産児で発症頻度の多い新生児特発性呼吸窮迫症候群に対する人工肺サーファクタント投与の投与決定において、肺超音波検査スコアが有用であるか検証する前方視的研究を検討しております。 まずは単施設研究を行いますが、治療介入における「カットオフ値」を算出するためには十分なエビデンスレベルが必要であると考えるため、国内多施設前方視的研究に発展させる予定でいます。
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Research Products
(7 results)