2020 Fiscal Year Research-status Report
The network analysis of brain after acute encephalopathy using MEG
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20K16851
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 啓之 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00784919)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児神経 / 急性脳炎脳症 / 脳磁図 / 脳機能 / 脳神経ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
小児急性脳炎脳症は2000年代以降、生命予後は改善してきた。しかし、機能予後の改善が十分に得られているとは言えず、後遺症として高次脳機能障害を残す症例が多い。後遺症としての高次機能障害には、重症例に加え、その後の発達過程で顕在化する潜在性の障害が含まれる。しかし、脳症後の高次脳機能障害を客観的・定量的に評価する手法は確立していない。また、高次機能障害の定量的評価を行うことができれば、潜在的な脳機能障害を検出し、機能障害への早期の治療的介入や、現行および新規に開発される治療の効果を判定することが可能となる。脳磁図は高い信号源推定能精度と高い時間分解能を有し、脳神経活動を直接測定する機器である。近年の解析技術の進歩により、脳神経活動のネットワーク解析や認知情報処理パターンの解析が可能となってきている。しかし、脳神経活動のネットワークの解析技術を小児領域の認知機能障害に用いた報告はほとんど見られず、本領域での研究が待たれている現状である。本研究では、認知機能に関する脳神経ネットワークにおける正常小児の発達に伴う変化および急性脳炎脳症患児の機能障害の検出および障害部位を明らかとし、脳症後の高次脳機能障害の早期検出と治療効果の判定に役立てることを目的とする。 これにより成人の加齢による報告と同様に小児は発達により、脳神経ネットワークが変化していくことが予想される。その年齢ごとに急性脳炎脳症患児のネットワーク障害部位が明らかとなることでリハビリや教育などの介入の参考となる。また、現在の治療では根拠をもった治療法は開発されておらず治療による障害の違いはないことが予想される。将来的に、有効と考えられる治療が開発された際には本研究の手法を用いて治療効果判定を行うことが可能となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は被験者の協力が必須であるが、新型コロナウイルスの流行により被験者を受け入れられない期間が続いたため、実質的に磁場計測ができていない。正確な磁場計測のための準備や環境整備に終始している。
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Strategy for Future Research Activity |
感染対策を徹底したうえで、新型コロナウイルス感染症の流行下においても脳磁計設置機関との調整を行いすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
前記研究計画の遅れの理由に記したとおり、被験者を必要とする脳磁場計測が新型コロナウイルスの流行下において進行していない。脳磁計設置機関と調整の上計測を進める予定である。今年度分の計測に加えて前年施行できなかった分を追加して計測する予定であり、その費用を要する。
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