2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of a novel gene causing genetic disorder of copper metabolism
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20K16853
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 健司 京都大学, 医学研究科, 助教 (50790557)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 銅代謝異常症 / 遺伝性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性銅代謝異常症として、銅の細胞内輸送障害であるメンケス病が代表的である。申請者は、メンケス病と異なる特徴を持つ遺伝性銅代謝異常症の家系における網羅的遺伝子解析により、新規遺伝子Xに複合ヘテロ接合のバリアントを同定した。本研究では、今回同定されたバリアントが銅欠乏症と関連していることを、分子生物学的手法を用いて証明することを目的とする。 2020年度は患者線維芽細胞や様々な細胞株において銅取り込み実験を行った。患者線維芽細胞では正常コントロールと比較して銅取り込みが障害されていた。患者線維芽細胞に正常蛋白Xを強制発現させると銅取り込みが有意に改善した。銅イオンを検出する蛍光マーカーを用いて銅取り込みを評価したところ、同様に患者線維芽細胞では銅取り込みが低下していた。 次に、それぞれのバリアントを持つ蛋白XをHEK細胞に強制発現させ、銅取り込みや蛋白発現をを評価した。銅取り込みは一方のバリアントでは有意な低下を認めたが、もう一方のバリアントでは取り込みにコントロールとの差を認めなかった。取り込みに差を認めなかったバリアントを持つ蛋白Xの細胞内局在、蛋白構造、安定性などを評価した。細胞内局在と蛋白安定性では明らかな異常を認めなかったが、蛋白構造では正常蛋白Xとの違いを認め、同バリアントの病原性が示唆された。 来年度は細胞株においてゲノム編集を用いて、より詳細なバリアントの機能評価を進める予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響で様々な制限はあったが、2020年度に計画していた実験は完了できており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染拡大対策を取りつつ、2021年度に計画している実験を進める。具体的には、ゲノム編集技術を用いて詳細なバリアントの機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19による実験制限や学会のオンライン参加などにより想定よりも費用が少なくなった。また、他の獲得した補助金により賄うことができたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は物品の購入費として充当する予定である。
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