2020 Fiscal Year Research-status Report
Gut microbiota analysis in cancer immunotherapy for refractory acute lymphoblastic leukemia in children
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20K16864
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
川原 勇太 自治医科大学, 医学部, 助教 (10570385)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / 腸内細菌叢 / 腸内環境 / 小児急性リンパ性白血病 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.小児血液悪性腫瘍患者における腸内環境解析の実行可能性の検討 本研究では、「難治性小児急性リンパ性白血病(ALL)に対するがん免疫療法薬であるブリナツモマブ治療の有効性や副作用と、腸内環境との関連を解析し、新規バイオマーカー(生体内の物質で治療への反応性や副作用と関連する指標)を見出すこと」を目的としている。本研究は、JCCG(日本小児がん研究グループ)の臨床試験である、“再発難治性小児白血病に対するブリナツモマブを用いた全国臨床試験第II相試験”(ALL-R19 Blin)に紐づいて行う。まず、ALL-R19 Blinに先立って、小児血液悪性腫瘍患者における腸内環境解析の実行可能性を検討した。遠方からの検体収集が想定されるため、京都大学から糞便検体を送付していただいて、糞便検体からビーズ破砕法によるDNA抽出を試みたところ、問題なく抽出できた。また、水様便検体からのDNA抽出も可能であることを確認した。 2.ALL-R19 Blin開始の準備 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による研究資金の支援の下、臨床試験開始準備を行なっているが、不足している費用についてブリナツモマブ発売元企業であるAMGENからの研究助成(ALL R19 Blin Bio)を受けるべく、研究助成獲得、臨床試験開始に向けてAMEDやデータセンターと調整しながら各種準備を進めた。ALL R19 Blin Bio研究助成は2021年1月に内定した。2021年7-8月のALL-R19 Blin開始を予定している。 3.糞便検体採取用物品の最適化 多施設で糞便検体を採取していただくにあたり、負担を軽減できるように、糞便検体採取用容器や匙の最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、ALL-R19 Blinに紐づいて行うが、ALL-R19 Blinがまだ開始できていないため、糞便検体の収集ができていない。ALL-R19 Blinは、AMEDによる研究資金の支援の下、臨床試験開始準備を行なっているが、データーセンターへのサポート、臨床試験運営やバイオマーカー探索研究の研究者への支援などに関して費用が不足していた。不足している費用について、ブリナツモマブ発売元企業であるAMGENからの研究助成(ALL R19 Blin Bio)を受けるべく、研究助成獲得、臨床試験開始に向けてAMEDやデータセンターと調整しながら各種準備を進めた。その結果、ALL R19 Blin Bio研究助成は2021年1月に内定した。2021年7-8月のALL-R19 Blin開始を予定している。 その間に、腸内環境解析の実行可能性の検討や糞便検体採取用物品の最適化を行い、糞便検体収集・腸内環境解析の準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.速やかなALL-R19 Blin開始:AMGENからの研究助成に関する契約を早期に締結し、ALL-R19 Blinを速やかに開始する。 2.ブリナツモマブ治療前後の難治性小児ALL患者の糞便検体収集、およびDNA抽出:ブリナツモマブ治療前後に採取した難治性小児ALL患者の糞便検体を、研究参加施設から当科に送付していただく。送付された糞便検体から、ビーズ破砕法によるDNA抽出を行う。 3.糞便検体から抽出したDNAのPCRおよびシークエンス(メタ16S rRNA遺伝子解析):抽出したDNAを用いて、原核細菌が固有に持つ16S rRNA遺伝子をPCRによって特異的に増幅し、次世代シークエンサーであるMiSeqシステムを用いてシークエンスを行い、メタ16S rRNA遺伝子解析を行う。 4.糞便検体から抽出したDNAのライブラリ調整およびシークエンス(メタゲノムショットガン解析):抽出したDNAを用いて、ライブラリ調整キットでライブラリ調整を行う。NovaSeqシステムを用いてシークエンスを行い、断片化された遺伝子配列をすべて決定するメタゲノムショットガン解析を行う。 5.メタボローム解析:液体窒素で急速凍結した凍結糞便検体を用いて、ガスクロマトグラフィー質量分析法および液体クロマトグラフィー質量分析法によって、腸内細菌叢から産生される種々の代謝産物を測定するメタボローム解析を行う。 6.腸内細菌叢および代謝産物のブリナツモマブの有効性および免疫関連有害事象への影響の解析:メタボロゲノミクスによる腸内環境解析結果を用いて、ブリナツモマブ奏効群・非奏効群および合併症発症群・未発症群において、腸内細菌叢の多様性や系統組成、特定の腸内細菌の割合、腸内細菌叢の機能組成、腸内細菌叢由来代謝物質を比較し、バイオマーカーを探索する。
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Causes of Carryover |
(理由) ALL-R19 Blinが開始できず、糞便検体の収集ができなかった。そのため、メタ16S rRNA遺伝子解析関連費(MiSeq reagent kit v3、ロングプライマーなど)、メタゲノムショットガン解析関連費(ライブラリ調整キットなど)を使用しておらず、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 2021年度は、糞便検体の収集・DNA抽出を行い、メタ16S rRNA遺伝子解析、メタゲノムショットガン解析を行う予定であり、メタ16S rRNA遺伝子解析関連費(MiSeq reagent kit v3、ロングプライマーなど)、メタゲノムショットガン解析関連費(ライブラリ調整キットなど)として使用する予定である。
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