2023 Fiscal Year Research-status Report
Clinical application of remote ischemic conditioning for Kawasaki disease
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20K16865
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
本田 崇 北里大学, 医学部, 助教 (50525532)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RIC / 川崎病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以前より広く基礎研究で用いられてきた川崎病モデルマウスを用いて、RICが冠動脈病変に与える影響を評価することを目的としている。川崎病マウスは具体的には、BALB/cマウスに1mg/dose(予定)のC. albicans標準株由来の糖鎖CAWS(Candida albicans water soluble fraction)を腹腔内投与して準備した。 まずCAWSを5日間連続で腹腔内投与することで川崎病モデルマウスを作成した。RICは、マウスの後脚にタニケットを巻いて、5分間の阻血と5分間の再還流を計4セット繰り返すことで行った。RICをCAWS投与前もしくは後に施行し、それぞれCAWS+RIPC群、CAWS+RIPostC群とした。sham群には生理食塩水を投与した。投与後4週の時点でマウスを安楽死させ、心臓および血液のサンプルを採取した。摘出した心臓はホルマリン固定させて切片を作成し、HE染色を行い冠動脈への炎症細胞浸潤の程度を評価した。 ここまで、sham群、CAWS群、CAWS+RIPC群をそれぞれ4例ずつに関してHE染色を行い比較した。sham群に比べてCAWS群では有意に炎症細胞浸潤が高度であり、CAWS+RIPC群はCAWS群に比べて炎症細胞浸潤は軽減していた。対象マウスの数を増やすとともに、CAWS+RIPost群の解析も現在進めていく。 我々は並行して、サイトカイン分析も進めてきた。CAWSを投与したCAWS群に対して、CAWS+RIPC群とCAWS+RIPostCを準備した。生理食塩水を投与したsham群も設定した。CAWS投与後1、2、4、24時間で血液と心臓、脾臓を採取した。今後これらのサンプルをもとに、サイトカインや細胞内シグナルの解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Remote ischemic conditioningに関する研究は当施設では初めての試みで不慣れであり、慎重に研究を進めているために時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、炎症細胞浸潤に関する研究に関しては3ヶ月以内には終了する予定である。 サイトカイン解析に関しては、採取した血液サンプルを用いて、ELISAによりTNF-α、IL-1β、IL-6を測定し4群間で比較しRICが急性期の血中サイトカインに与える影響を評価する。また、この投与24時間後の群においては心臓と脾臓における細胞内での炎症に関わるシグナリングを比較する。具体的には心臓と脾臓から抽出したタンパクでERK、JNKの細胞内シグナリングの比較をWestern blotを用いて行い、 TNF-α等の遺伝子発現の比較をReal time RCRを用いて行う。
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Causes of Carryover |
研究の遂行に遅れがあり、未だ残っている研究があるために次年度使用額が生じました。ELISAを行うための抗体や追実験のためにこの次年度使用額を使用する予定です。
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