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2020 Fiscal Year Research-status Report

線虫を用いたCNOT2遺伝子の正常神経発生における役割解明

Research Project

Project/Area Number 20K16866
Research InstitutionInstitute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center

Principal Investigator

上原 朋子  愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 遺伝子医療研究部, 非常勤研究員 (30767124)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCNOT2 / C.elegans / 機能解析
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、新規の知的障害症候群の原因であるCNOT2遺伝子の機能不全により生じる病態について解明し、CNOT2 の正常神経発生における役割の解明を目指している。複雑な神経回路を有するヒトで、その詳細を研究することは極めて困難であることから、ヒトの神経発生等の研究に適しているモデル生物であるC.elegans を用いて研究を開始した。C.elegansにおけるCNOT2ホモログであるntl-2遺伝子について、その発現パターンの解析を行った。発現パターンの差を解析すべく、異なる長さで3種類のntl-2遺伝子のコンストラクトを作製し、GFP発現ペクター(pPD95.75)に組み込んだ。これを野生型
C.elegagnsに導入してGFP発現組織をそれぞれ確認した。その結果、すべての長さにおいて全身の組織でGFPの蛍光を確認し、差が得られなかった。ntl-2遺伝子の組織毎のプロモーターの同定は困難であることが示唆された。
そのため、以下のように方針を変更することとした。CRISPR/Cas9法を用いて、①全身の神経細胞で発現するプロモーターにntl-2遺伝子をつなげたコンストラクトを作成し、これをntl-2変異体に導入してレスキューの状態を確認する、②同様の方法を用いて腸管で発現するプロモーターにntl-2遺伝子をつなぎ、致死性のntl-2変異体に導入して、神経細胞でのみntl-2遺伝子が欠失した時の野生型との差を比較する。これにより、C.elegagnsの正常神経発達におけるntl-2遺伝子の役割解明につながることが期待される。現在この方法を用いた実験を進めている状況である。
並行して培養細胞を用いた実験も開始した。培養神経細胞に患者と同様の変異を有するCNOT2遺伝子を導入し、野生型CNOT2を導入した場合との差を比較する予定で現在進行中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、新規の知的障害症候群の原因であるCNOT2遺伝子の機能不全により生じる病態について解明し、CNOT2 の正常神経発生における役割の解明を目指している。研究計画立案時には、C.elegansにおけるCNOT2ホモログであるntl-2遺伝子について、その発現パターンの解析を行い、神経細胞のみで発現するプロモーターを同定する方針であった。発現パターンの差を解析すべく、異なる長さで3種類のntl-2遺伝子のコンストラクトを作製し、GFP発現ペクター(pPD95.75)に組み込み、これを野生型C.elegagnsに導入してGFP発現組織をそれぞれ確認した。その結果、すべての長さにおいて全身の組織でGFPの蛍光を確認し、ntl-2遺伝子の組織毎のプロモーターの同定は困難であることが示唆された。当初の計画とは異なるが、実験の目的は神経細胞におけるntl-2遺伝子の役割を解析することであるため、これを達成すべく異なるアプローチを開始した。CRISPR/Cas9法を用いて、①全身の神経細胞で発現するプロモーターにntl-2遺伝子をつなげたコンストラクトを作成し、これをntl-2変異体に導入してレスキューの状態を確認する、②同様の方法を用いて腸管で発現するプロモーターにntl-2遺伝子をつなぎ、致死性のntl-2変異体に導入して、神経細胞でのみntl-2遺伝子が欠失した時の野生型との差を比較する。これにより、C.elegagnsの正常神経発達におけるntl-2遺伝子の役割解明につながることが期待される。現在この方法を用いた実験を進めているところであり、概ね順調と言える。
並行して培養細胞を用いた実験も行なっており、培養神経細胞に患者と同様の変異を有するCNOT2遺伝子を導入し、野生型CNOT2を導入した場合との差を比較する予定でこちらも順調に進めている。

Strategy for Future Research Activity

本研究の目的であるCNOT2の正常神経発生における役割の解明を進めていく。研究計画書ではモデル生物としてC.elegansを用いた実験を計画したが、これと並行して培養細胞を用いた実験も進めていく方針とする。神経細胞を用いて解析を行うことで、CNOT2の神経発生における機能の直接的な解析が可能となると考えるためである。さらに、患者血液を採取し、そこからセルラインを樹立して実験を進めることも計画中である。

Causes of Carryover

今年度はオンラインでの学会参加により、計上していた旅費が不要となったこと、及び研究計画の変更等により、必要物品の購入を次年度に変更したため次年度使用額が生じた。2年目は、研究計画として追加した培養細胞に関する必要物品の購入、当初の計画にあるC.elegansの実験に関する必要物品の購入、学会等参加の際の旅費・参加費として使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] CNOT2遺伝子変異に伴う 知的障害症候群患者の臨床像2020

    • Author(s)
      上原朋子, 土橋隆俊, 大門由美, 鈴木寿人, 山田茉未子, 武内俊樹, 小崎健次郎
    • Organizer
      日本小児科学会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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